近年、遺伝子解析技術は飛躍的に進歩し、従来の理解を大きく更新しつつあります。
かつて主に用いられていたミトコンドリアDNAは母系の情報しか伝えず、十代遡っても1024人の祖先のうち「たった一人の女性」の情報しか残りません。
そのため、祖先全体像を把握するには限界がありました。
これに対し、現在主流となっている核DNA解析は、両親双方からの情報を受け継ぎ、十代前の1024人すべての遺伝情報が反映されます。
塩基数もミトコンドリアの約1万6500に対し、核DNAは約32億と桁違いであり、より精密な系統樹を描くことが可能になりました。
■ 令和元年(2019)
国立科学博物館・国立遺伝学研究所・東京大学などの共同研究により、
「アイヌは縄文人の遺伝子を約7割受け継ぐ」
ことが発表されました。
これにより、かつて唱えられた「アイヌは縄文人とは別系統」という推論は否定されました。
■ 令和2年(2020)
東京大学・金沢大学などの研究では、
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アイヌは日本列島の最古の住人である
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縄文人とアイヌは同じクラスター(枝)に属する
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縄文人は東ユーラシア人の根に位置し、創始集団である
という重要な知見が示されました。
これにより、
「アイヌが12~13世紀に北方から渡来した」という説は成立しない
ことが明確になりました。
■ 令和3年(2021)
金沢大学・富山大学などの研究により、
「日本人の三重構造」 が示されました。
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弥生時代には大陸南方からの遺伝子流入はない
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北東アジア系の遺伝子が混入
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大陸南方からの遺伝子流入は古墳時代以降
という結果は、従来の「稲作を持った異民族が弥生人になった」という通説を再検討させるものです。
■ 令和6年(2024)
理化学研究所などによる3256人分の全ゲノム解析により、
日本人の三重構造モデルが確証された とされます。
さらに、
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現代日本人にはネアンデルタール人・デニソワ人の遺伝子が混入
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その一部は現代の疾病にも影響
といった新たな知見も示されました。
これにより、
日本列島に中期旧石器時代の人類が存在しなかったとする従来の主張は再検討を迫られる
可能性が出てきています。

