古代の人達は形にとても敏感であり、重要な形はそれと同じような形を別の素材や絵、造形に表現して、そのエネルギーを自分の物にするという試みをしたと私は考えています。古代エジプトでは「弧状」の形がよく表現されていてこの造形はどこから生まれたのか長い間考えてきました。
この「弧状」の造形を研究者の間ではさまざまな解釈があり、定説はありません。
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牛や羊など動物の角を表したもの
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三日月(月)を象徴したもの
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冥界や天空などの巡行に用いる舟を表したもの
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霊魂を支える受け皿
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死者に添えるメクル(護符)
など、複数の説が提示されています。 私も、これらの解釈は古代エジプト人が実際に抱いていた象徴意識の一部だと考えています。
しかし私は、この弧状の原形は 日がさ(太陽ハロ)に見られる光学的な弧の形 にあると考えています。 太陽ハロ(左上)には、
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上端接弧
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下端接弧
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上部ラテラルアーク
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天頂環
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幻日環
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太陽アーク
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下部ラテラルアーク
などの「弧」が現れます。 これらの弧の形が、角・月・舟・皿・メクルといった具体的な物体へ変換され、 重要な象徴として造形されたのではないかと考えています。
弧の形は天候次第でいろいろと変化します。その形の複雑さは古代エジプト人がいろいろな物事に投影したと考えられます。
太陽ハロの二重円は、古代エジプト人にとって「恵みの雨の前兆」とされ、また二重円の中心は再生、復活の場所と捉えられ、そこに付属する「弧」は 非常に神聖視されていました。 そのため、同心円そのものだけでなく、 そこに接する弧の形もまた、特別な意味を持ち現状を変える再生、復活の象徴として崇められていたのではないかと感じています。








