オリオン座の中心に並ぶ三ツ星は、ギザの三大ピラミッドを表現しているといわれています。

古代エジプトでは、オリオン座は冥界の神オシリスを象徴し、ファラオ(王)は死後オシリスとなって冥界と天空を巡り、再び現世へと再生すると考えられていました。

太陽信仰の文明でありながら、古代エジプト人は夜空の星々や月にも深い宗教的意味を見出していたのです。

 

 

私は、オリオン座の二つの三角形のうち、下側の△の内部に位置する「小三ツ星」に注目しています。

この星々は一般的には重要視されず、古代エジプトに関する書籍でもほとんど取り上げられていませんが、縦に連なるこの小三ツ星こそ、古代エジプト人が再生と復活の象徴として重視していた可能性があると考えています。

 

 

ギザのクフ王のピラミッドには、下の図で地下の間(図の5)、王女の間(図の7)、王の間(図の10)という三つの部屋が縦に並んでいます。

この構造は他のピラミッドには見られず、通常は地下に玄室や間が設けられるのが一般的です。

 

 

 

 

私は、この三つの部屋の縦配置が、オリオン座の三ツ星や小三ツ星を象徴的に表現していると考えています。

三つの部屋はピラミッドの中心にありますが、王の間・王女の間・地下の間は一直線ではなく、わずかにずれて配置されています。

通常であれば中心に一直線に並べるはずですが、これは非常に興味深い点です。

この“ずれた縦並び”は、オリオン座の三ツ星や小三ツ星の並び方とよく似ています。

最上部の王の間には石棺があり、玄室とみなされています。

 

 

一方、王女の間と地下の間には石棺がなく、玄室とはされていません。

この構造は、ピラミッド中心線から左にずれて縦に連なる小三ツ星の配置と対応しているようにも見えます。

私は、古代エジプト人がオリオン座の△の内部にある小三ツ星から再生・復活が起こると考えていたのではないかと推測しています。

 

ピラミッドはベンベン石と共鳴し、原初の丘を象徴する存在でもあります。

その中心に三つの部屋を配置したのは、ジェド柱の象徴を内部に組み込むためだった可能性があります。

 

ジェド柱

 

ジェド柱は再生と復活の中心軸であり、王権の永続を象徴する柱です。

柱は一般的に土の中に埋め立てられるため、このピラミッドの三つの間の構造とも共鳴します。

 

王の間の天井に設けられた「五重の屋根」構造も、小三ツ星を象徴し、オシリスが現世に再生・復活する場として設計されたと私は考えています。

つまり、王の間は、腰のベルトの三ツ星が“立ち上がったジェド柱(小三ツ星)”として表現され、王権の復活を示す空間だったのではないでしょうか。

 

 

 

 

※ ピラミッドの内部の図は「河江肖剰の古代エジプト」から引用