ピラミッドの内部の図は「河江肖剰の古代エジプト」から引用

 

クフ王のピラミッドは、他のピラミッドとは異なり、地下の間・女王の間・王の間という三つの部屋を内部に備えています。これらはいずれも地下またはピラミッド内部に位置しており、私はこの構造が冥界を象徴していると考えています。

 

アヌビス

 

冥界の神としてよく知られるのが、アヌビス、イシス、オシリスの三神です。

アヌビスはジャッカルの姿を持ち、死者を冥界へ導く入口の神であり、ミイラ作りを司る存在です。

その象徴性から、私は「地下の間(5)」はアヌビスを表現していると考えています。

 

イシス

 

次に、ピラミッド内部の女王の間(7)はイシスを象徴していると見られます。

イシスはオシリスを復活させ、ホルスを育てた母性・魔術・再生の女神です。

女王の間の通気口がシリウス(イシスの星)を向いていることは偶然ではなく、明確な象徴設計とされています。

イシスは“復活の準備”を担う存在であり、死と再生の間にある“変容の場”として機能する部屋が女王の間であると考えられます。

 

オシリス

 

王の間(10)は石棺を備え、唯一“完成された部屋”として設計されています。

天井の「五重の屋根」は、小三ツ星(オリオンの剣)=再生の軸を象徴する可能性が高く、王の間の通気口はオリオン(オシリスの星)を向いています。

この部屋は、オシリスが冥界から現世へと再生する場を表していると考えられます。

 

ジェド柱

 

この三つの部屋が象徴的に機能するためには、それらを貫く“柱”が必要です。

私は、この三室を結ぶ象徴的な軸こそがジェド柱であると考えています。

三ツ星や小三ツ星が一直線ではなく、わずかにずれて並ぶように、ピラミッド内部の三つの部屋も一直線ではなく配置されており、両者は共鳴しています。

 

 

この構造は次の三段階に対応します。

 

1. 地下の間(アヌビス)

死者が冥界へ入る入口

 

2. 女王の間(イシス)

再生の魔術が働く変容の場

 

3. 王の間(オシリス)

復活し、王として再誕する場

 

 

 

ジェド柱は下部が梯子(はしご)状で、上部は円形の四つの輪で区切られています(実際にはジェド柱には梯子はありませんがセド祭の時に梯子をジェド柱に掛けるためこのように表現されました)

ジェド柱はオシリスの背骨ともいわれ、「立つ」の意味があると私は捉えています。

この構造は、最下部がアヌビス(地下の間)、中間がイシス(女王の間)、上部がオシリス(王の間)と象徴的に対応しているように見えます。

 

また、ピラミッドが長方形の石灰岩ブロックを階段状に積み上げて造られている点も、ジェド柱の梯子状構造と共鳴しています。

歴史学的定説ではありませんが、クフ王のピラミッドは、冥界の神アヌビス・イシス・オシリスを象徴し、ジェド柱は再生と復活の中心軸として働く。

この二つが重なることで、ピラミッドは冥界の神々の力が宿る“強力な再生・復活の建築”として理解できるのです。