古代エジプトの神々は、頭の上にその神を象徴する形を表しています。なぜ「頭の上」なのか。一般的には、神が人間よりも崇高な存在であることを示すためだと考えられますが、さらに深い理由があるように思われます。
仏像の髪型にも同様の象徴性が見られます。仏によって髪型はさまざまですが、一般的には頭部の中央が盛り上がった形が多く、地蔵菩薩のように剃髪の例を除けば、多くの仏は頭頂部で髪を高く結んでいます。これらの髪型には名称もありますが、なぜ頭頂を高くするのかについては明確な説明が見当たりません。
私はこの秘密がヨガの「チャクラ」にあると考えています。チャクラはサンスクリット語で「輪」「車輪」「円」を意味し、人間には七つの主要なチャクラがあるとされます。
• 第1チャクラ:生殖器と肛門の間
• 第2チャクラ:丹田(おへその下)
• 第3チャクラ:みぞおちとおへその間
• 第4チャクラ:胸の中心
• 第5チャクラ:鎖骨の間
• 第6チャクラ:眉間の奥
• 第7チャクラ:頭頂部
チャクラが開かれると輪が回転し、エネルギーが中央脈管(スシュムナー)を流れることで、健康・知性・精神・霊性が高まるとされます。
さらに、第7チャクラの上には「第8チャクラ」があると伝えられています。場所は頭頂から約17〜22cm上方にあり、ここが開かれると絶対真理である「ブラフマン」と一体化し、解脱して宇宙とつながるといわれます。
私は、仏像の髪が高く盛り上げられているのは、この第8チャクラを開くための中央脈管を象徴していると考えます。髪(かみ)の上にあるものは、神(かみ)へと至るための人間の重要な器官であり、古代エジプトの人々もまた、頭上こそ神と一体になる場所だと理解していたのではないでしょうか。






