オリオン座を眺めているうちに、その形が甕棺(かめかん)と共鳴しているのではないかと感じるようになりました。さらに、熨斗袋の「熨斗(のし)」の形も、オリオン座から発想されたのではないかと考えるに至りました。

熨斗の形がどこから生まれたのか、私は数年前から考え続けてきましたが、決定的な答えを見つけられずにいました。

 

 

しかし、オリオン座が日本で古代「鼓星(つづみぼし)」と呼ばれていたことを思い出したとき、形の連関が一気に開けました。

鼓星は、二つの三角形が重なったような形で、和鼓の姿に似ています。

この形の上部に位置する星メイサ(Meissa)と、うさぎ座で最も明るい星アーネブ(α Leporis)を結ぶと、六角形の図形が浮かび上がります。

この六角形が、熨斗の外観と驚くほどよく似ていることに気づきました。

 

さらに、熨斗の中央に描かれる直線状のアワビは、オリオン座の三ツ星や小三ツ星を象徴していると考えられます。

オリオン座(鼓星)は夜空で非常に目立つ星座であり、古代の人々がそこにさまざまな想像や祈りを託したとしても不思議ではありません。

日本では三種の神器に象徴されるように、「3」という数は特別に尊ばれてきました。

父・母・子、あるいは三代の継承など、三位一体の構造は普遍的な意味を持ちます。

この「3」を三ツ星・小三ツ星に重ね、熨斗の中央のアワビに表現したと考えることもできます。

 

 

アワビは女性器・母体とも共鳴します。

オリオン座の三ツ星・小三ツ星は、三つの星を結ぶと直線になりますが、この直線の形が熨斗のアワビに表現されたのだと思われます。

母胎の中に存在していることになりますから、六角形の形をしたオリオン座の中にある三ツ星・小三ツ星と同じ構造を示しているとも考えられます。

また、直線が垂直であることから「立つ」という意味が生まれ、現世に立ち現れる象徴とも捉えられます。

これは世界的に重要視されてきた「柱」の象徴とも響き合います。

 

 

甕棺、熨斗、オリオン座の形は、いずれも**「さなぎ」の形象**として捉えることができ、そこには再生・復活・変容の意味が宿ります。

では、なぜ「熨斗」と呼ばれるのでしょうか。

 

熨斗の語源は、

 

• 熨(いする)=熱でしわをのばす

• 斗(と)=ひしゃく形の器具

 

に由来します。

 

 

古代、人々はアワビを細長く切って乾燥させ、それを**火熨斗(ひのし)**という古代のアイロンで伸ばして熨斗を作りました。

火熨斗は、円に柄のついた柄杓の形をしており、その上に炭火を置いて布のしわを伸ばす道具でした。

 

この火熨斗の「〇━」という形は、魂・霊魂・神霊の象徴とも読み取れます。

そして、この〇━の形と、オリオン座(鼓星)の六角形=甕棺(さなぎ)の形が重なり合うことで、強力な再生・復活・変容の象徴体系が成立したと考えられます。

 

それは、父・母・子、あるいは三代の家系の存続を祈る形であり、

福運招来・家内安全・家系存続・諸事円満・諸事順調

といった願いが熨斗に込められた理由でもあるのでしょう。

 

 

 

 

※ 火熨斗の写真は「e国宝-火熨斗」からお借りしました。