ボビーは結局、朝になっても帰らなかった。![]()
私は大学から戻ると、それとなく
ボビーが居そうな場所を探してみた。
そういえば、昨日の夕方にボビーは、
個展のビラ張りに行ったのだと思い立ち、
手掛かりはないかと近所をウロウロしていると、
地元の子供たちが、学校から帰ってくるのに出くわした。
そのうちの一人が私に近づいて来て、
とんでもないことを言うのであった。
「アナタの彼氏、警察に連れて行かれたよ〜」笑
驚いて、事の詳細を聞いてみる。![]()
なんでも、ビラ張りの際に住人のおじさんと揉めて、
軽い暴力沙汰に発展したらしかった。
もっとひどい事態を想像していたので、
留置場と、彼の居場所もわかったし、
そのうち帰ってくるだろうとホッとして、
そのまま家に帰って行った。笑
そして、その日にボビーは帰って来たのだった。
戻って来たボビーが憤慨して話すには、![]()
ビラ張りをしてはいけない場所に張っていると
非難したおじさんと口論になり、もみくちゃになり、
持っていたビラで、おじさんの頭をぽこっと叩いたと言う。
自分に非はないと言うものの、
おじさん叩いたらアカンアカン。![]()
ボビーの話はいつもかなり主観が強くて、
そのまま鵜呑みにする事はできない。
私は黙って話しを聞いたが、
彼の難しい性格を発端にしたこの小さな事件から、
前途の多難さに思い及んで、
どうしようもなく暗い気分になった。![]()
こんな小さな事件はこの後も度々起きて、
彼と生きることの難しさを、その都度
実感する事になったのだった。