あなたは「ありのままで良い」?② [金曜日担当:管野] | 教育研究所ARCS - 独断的教育論 -

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教育現場のプロ3人衆による本音トーク

前回の記事の続きです。

本当に人は「ありのままで良い」のか。

普通に考えて「ありのままで良い」を誰にでも当てはめることはできないでしょう。


極端な話…


オレオレ詐欺や振りこめ詐欺の犯人が「俺はありのままで良いのだ。自分を変える必要はない」と言ったら…

危険ドラッグを吸引して交通事故を起こした男がこの言葉を言ったら…


もちろん、自己正当化の居直りにしか聞こえませんよね。


これが極端すぎるというなら次のような場合はどうでしょう。


入試が近いのに勉強をサボっている受験生。

まだ人が行列を作っているのに時間がきたからと、窓口を閉めてしまう役所の職員。


さらに次のような場合。

自分なりに精いっぱいやったと思っているが、周囲の評価はイマイチ良くない人。

自分なりに頑張っているつもりだが、ちょっとしたことで挫折しやすい人。


つまり私も含めて大半の人です。(笑)


こういう大部分の一般の人が「ありのままで良い」を、今よりガンバらなくてもいい、ソコソコでいい、こんなオレでもオッケーというふうに安易な自己肯定の意味で使うなら、それは大きな心得違いというものでしょう。


ありのまま…は決して「能力を出し切らない自分」との妥協を許す言葉などではない。


ましてそんな自分を慰めるためのものではありません。


どうも最近の風潮として、真面目に努力することや誠実であろうと努めること、一途に何かを追い求める姿勢などをダサいとして軽んじる傾向があるようで、「ありのまま」の流行もそのような傾向を助長する雰囲気がある気がします。


前回私が違和感を持つと言ったのもまさにこの点にあるのです。


この言葉を表面的にとらえ、都合良く自分たちの向上心の欠如を正当化するために使っているのではないか。そう感じたからです。


しかし、そうは言っても「ありのままで良い」という言葉には大切な真理、メッセージが含まれていると思います。


「ありのままで良い」が伝えたい真のメッセージとは何でしょうか。


それは、私たちが「本来の自分」無色透明の「あるがまま」を失って生きているからではないでしょうか。つまり「本当の自分」を思い出せというメッセージです。


私たちは産まれてこの方、社会生活に適応するためには沢山の「こうあるべき」「こうすべき」を刷り込まれてきました。


そしていつも他者や世間から「どう思われているか」「どう見られているか」という評価を気にし、本来の自分らしさを抑え込んで生きています。


他者や世間が期待する「自分像」を作り上げその像(イメージ)になろうとさえします。


大人になる過程で多くの人は、こうして「本来の自分」から遠くかけ離れた「自分ではない自分」―ウソの自分―それを自分と信じ込んで生きていくのです。


多くの人々が幸福感を得られにくいのはそのためです。


自分の本来の可能性を制限した生き方は、根底に無力感を抱え込んでしまうからです。


社会生活を営む上で、ある種の制限やルール、役割分担は必要なものです。
しかし、それがあまりに行き過ぎて「本来の自分」を抑えつけ息苦しくなっているのが現代なのかも知れません。


私たちはもっと自由に「自分らしさ」を表現しても良い。自分らしさを表現して生きることは決してワガママなことではなく、他人に迷惑をかけることでもない。


それどころか、自分らしく生き「ありのままの姿」を表現する方が、他者との間にも真の交流が生まれる可能性が高い。


なぜなら、本来の自分を抑圧して「ニセモノの自分」であり続けることは、自分を守るために他者との間に壁を築くことだからです。


自分らしく生きることを自分に禁ずる人は他者にも同じことを強いるでしょう。


そこには相互不信と不自由な世界しかありません。


自由に生きる人は、他人にも自由を認めます。


自分らしく「本来のありのまま」に生きることを、私たちはもっと自分自身に許可しても良いのではないか。


自らにかけてしまった制限をゆるめて、自分の可能性を花開かせていくこと。
生命としての私たちはそのことを望んでいる。


だからこそ「ありのままで良い」という言葉が心に響いたのではないでしょうか。


この言葉は、私たちにもっと自ら「本来の姿」に目を向けてその豊かな可能性を発揮していくよう促すメッセージなのではないでしょうか。

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