あなたは「ありのままで良い?」①[金曜日担当:管野] | 教育研究所ARCS - 独断的教育論 -

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教育現場のプロ3人衆による本音トーク

最近「ありのままで良い」という言葉が流行っているようです。



映画「アナと雪の女王」の主題歌が元になっているようで、その歌詞の中にある“let it go”の日本語訳からきているようです。



「ありのままで良いのよ~」「あなたはあなたのままで良い」



なるほど。これはとても耳に心地よく響くフレーズです。

あなたはあなたのままで良い

確かにこの言葉には大切なメッセージが含まれていると私も思います。



人は皆自分らしく生きたいと思っています。



自分らしく生きて、自分の個性を輝かして生きたい。そうすればどんなに幸せだろうか。



人が自由に自分らしさを十分に発揮して生きていくことは、魂からの願いであり誰でもが心底に抱えている望みだと思います。



しかし、今のように「ありのままで良い」が一人歩きして気軽に歌われてしまうと少し違和感を覚えてしまうのです。



「ありのままでイイんだァー」を連呼されてしまうと、ちょっと待てと言いたくなるのです。



少し意地悪く聞き返したくなります。

本当に「ありのままで良いのか?」

例えば、こんな人がいた場合。



混んでる電車の中で足を投げ出して座っている青年。
深夜に大勢でバイクに乗って騒音をまきちらしている少年たち。
「入試」が近いのに勉強せず遊んでばかりいる受験生。

仕事がうまく行かないのは、アイツのせいだコイツのせいだと不平不満ばかり言っているサラリーマン。

主義主張のためには、爆弾を仕かけて一般市民を殺傷しても平気なテロリスト。



彼らも「ありのまま」で良いのでしょうか!?

いや、もし彼らが「ありのままで良い」ということばを自分の行為、あり方の正当化に使ったらどうなるでしょう。


そうです。こういう人たちは少なくとも、現状のまま、ありのままで良いはずはありません。

ぜひ変わってください。!!

「ありのまま」を都合の良い免罪符にしてはならない。
「ありのままで良いのだ」と開き直って欲しくない。



ところでその一方で「ありのままで良い」と声をかけたくなる人々もいます。



たとえば、自分の不用意な言動が人の心を傷つけたのではと後悔している人。

一生懸命尽くしたのに患者の命を救えなかったことで、自分の存在意義を疑う医療関係者。



「また子どもを感情的に叱ってしまった。自分は母親失格では…」と後で自己嫌悪におちいるお母さん。



または、他人の成功を口では称えながら心中では、やっかみや嫉妬を感じてそんな自分を責めてしまう人。



さらには自分のパフォーマンスが理想のレベルに達してないと自分を許せなく感じ、さらに自分を過剰に追い込んでしまうスポーツ選手や音楽演奏家など芸術系に携わる人たち。



こういう人たちには、激励の意味をこめて「どうか自分を責めず、ありのままのあなたでいて下さい」と言いたくなるのです。



こういう人たちは、ある種完全主義で責任感も強く努力家なのですが、その過剰な努力主義や責任感が自己否定に向かっているのです。



その「自己否定」に対して「ありのままで良いのだ」という言葉は、時として有効なメッセージになり得るでしょう。



自分の責任範囲について頑張っている人。
自分の理想を目指して努力している人。



しかし、悲しいことに現実はいつもその通りになるとは限らない。むしろ完全に理想通りいくことの方が珍しい。



その時人は挫折し無力感に襲われる。



「自分なんて…」と自己否定の感情にとらわれてしまう。



そういう時「いや、あなたはあなたのままでいい」「ありのままのあなたがステキだ」という言葉は、何よりも勇気づけられ励まされる、もっとも必要な「神の声」となり得るでしょう。



では、こういうことでしょうか。



一生懸命ガンバる人には「ありのまま」が良く、そうでない人、たとえば最初にあげた他人に迷惑をかける無神経な人や、ふつうに生きている凡人には「ありのまま」が良くないと。

つまり「ありのままで良い人」と「ありのままで良くない人」がいる。
そういうことでしょうか。



実は、問題はそれほど単純ではないというのが私の考えです。

もっと深い意味がある。

次回は、その辺をさらに掘り下げて考えてみたいと思います。

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