「イスラム国を知っていますか」[月曜日担当:庄本] | 教育研究所ARCS - 独断的教育論 -

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教育現場のプロ3人衆による本音トーク

先週は代ゼミのお話でしたが、今週は国際情勢のお話。
 
  最近ニュースでは盛んに「イスラム国」という言葉が報じられていますね。イスラム国、少し調べてみると、イラクやシリアでアルカイーダの残党を中心に作られたイスラム過激派の集団らしいのですが、これまでのテロ組織に近い集団と異なり、明確に新しい国家創立を志向していることが特徴らしいのです。歴史をひもといてみると、現代の中東の国家は、19世紀から20世紀にかけてヨーロッパの列強の都合を受けて作られたものが多くあります。つまり、中東社会で内発的に作られた国境ではありません。そこを問題視し、変えようとする動きはこれまでよりもより「根本的な」動きであるといっても過言ではありません。
 
  さらにもう一つの特徴として、中東以外の地域にも支持者が多い点が挙げられます。ツイッターやフェイスブックなどのインターネットサービスを駆使した広報活動により、より広範に、目に見えない形でネットワークが形成されているようです。
 
  この他にもイスラム国には多くの特徴があるようですが、今回私が注目したいのは、より抽象的なお話です。宗教の大義を掲げ、その考えから外れたものを排除しようとする「過激」な考え方を、我々は寛容に受け入れるべきか。それとも統制すべきか。とても難しい問題です。
 
  イスラム国の支持者は欧州を中心に広まっており、特に各地のイスラム系移民が集うモスクが発信地になっているといいます。かなり過激な、つまるところ自分たちと考えの異なる人間を「認めない」とする彼らの主張は、思想信条の自由を主張する西欧の自由主義と対立します。

  原理的には、思想信条の自由を「認めない」という考えに対しても、思想信条の自由を認める人々は寛容である必要があります。しかし、その結果思想が行動になり、大量の人間が命を落とすことになっても、それはしょうがない、と考えるべきでしょうか。一方で、「危険な思想は例外とする」ということになれば、それはそれで問題が生まれます。どこからどこまでが「危険な思想」なのか、その線引きをする基準を作るのが非常に難しくなるのです。
 
  この矛盾、答えの出ない問いは、今回のイスラム国の問題だけではなく、現代の様々な問題に変奏していきます。例えば、「平和を守るために戦争をする」という考えは成立しうるのか。それは「程度の問題」だ、と言われるかもしれません。だからこそ、その「程度」を決めるために至るところで政治が行われている
 
  つまるところ国際社会のやっかいな問題のほとんどはこのパターンであり、だからこそこの答えの出ない状況を「出来事」ではな「原理」から考察する方法はいろいろと応用が利きます。
 
  このようなすっきりとした答えが出ない問題をこねくり回して答えを考えるのには、実はやり方があります。感情論で「良い」「悪い」を決めたとしても、それは個人的な主張以上のものにはなりません。言い過ぎかもしれませんが、現代の小・中・高のカリキュラムでは、このような抽象的な問題の考え方を教わることはほぼありません。小説における「登場人物の気持ち」を読み取るやり方にはあれだけ時間を割くにも関わらず、です。その結果、いざ大学入試となって問題が出題されると、あまりにも幼い答えが返ってきて愕然とすることが多々あります。
 
イスラム国の問題やロシア・ウクライナ情勢など、今年は数十年に一度の大事件が立て続けに起こっています。ご家庭でも是非話題に挙げて、一歩踏み込んだ抽象的な概念(平和や正義、自由など)についてお子さんと話してみてください。その経験はきっと後々効いてきます。

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