夏のつぶやき② [水曜日担当:池村] | 教育研究所ARCS - 独断的教育論 -

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教育現場のプロ3人衆による本音トーク

はい、前回の続きということで、この物理チャレンジという大会の一問について考えてみようということでした。




さて、この問いに対して私は、ある思考実験をしてみました。
一応断っておきますが、この思考実験は私オリジナルもの。出題者側からの正解は発表されているものの、解説まではどこを探してもありません。

ですから、私の思考実験が結論に至るまでのプロセスが正しいかどうかはわかりません。皆さんが判断して下さい。

では前回私が想定した状況で考えてみましょう。
私が箱を持ってエレベーターの中にいます。そのエレベーターを吊っているワイヤーが切れました。
その瞬間私が箱をうっかり手放します。
思考実験スタートです!

さて、まず‘私’が体感する状況はどのようなものでしょうか。
そう、いわゆるフリーフォールです。
遊園地などのアトラクションにある垂直落下式乗り物に乗っているのと同じですね。
あれは座席に固定されたまま落下しますが、当然最後には地面に激突しないよう徐々に落下速度がゆるやかになっていきます。そして、目を閉じていれば重力から解放され無重力を感じることができます。

エレベーターという密室内で外の景色もわからず落下するということは、まさに‘私’は無重力を体感するわけです
宇宙ステーションにいるのと同じだと思って下さい。
その無重力の宇宙ステーション内に図のような装置、すなわち「ボールによって押し付けられて縮んだバネ」が突如出現したらどうなると思いますか?

はい、間違いなくバネがビヨーンと伸び、ボールと箱は反発しそれぞれ上下に飛ばされますね。
つまり、一緒に落下している‘私’から見える光景は、「箱とボールはどんどん離れていく」というものなんです。
もちろん、エレベーターの外から眺めている人にとっては、ボールも箱も(私も)みーんな落下していることは明白なんですが、この思考実験から箱とボールとの距離がどんどん離れてしまうはずですから、ボールよりも箱の方が常に瞬間のスピードが速い状態で落ちている、ということがわかりますね。

というわけで、正解は④でした。
この問いが、どのような発想を見るものなのかは不明ですが、出題者の方、いかがでしょう!?
また、この思考実験を読んでくれた方のご意見も聞かせてもらえるとありがたいです。もしかしたら別の視点が得られるかもしれません。


次回予告:庄本氏のダイエットの裏でひそかに行われている池村氏の肉体改造、夏の間に目に見える成果は表れるのか!?



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