保護者の方を対象に授業をしました! [月曜日担当:庄本] | 教育研究所ARCS - 独断的教育論 -

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教育現場のプロ3人衆による本音トーク

先日、私がつとめている塾の保護者の人たちを対象に、「保護者対象授業」を行いました。少し裏話をすると、保護者の方への授業って、とても難しいんです! 生徒として来られる保護者の方々は年齢も職業もさまざま。これまでに積まれた経験も異なります。そうなると、授業内容をあらかじめ知っている方とまったく知らない方が一つのクラスに混在することになってしまうのです。


 しかも、私の担当教科は社会です。社会は日常のできごとを扱う教科ですから、一見、内容への興味を引きやすいように思います。しかし、身近なできごとであるがゆえに、政治的思想などが混じりやすいのです。そんなわけで、タイトルのチョイスには、かなりの注意を要します。
 にもかかわらず、私が実際に選んだテーマは「戦争」でした。正直かなり危険な内容になりかねないものですが、塾の夏期講習のメインテーマでもあるので、あえてのチョイスです。
「戦争」ときくと、どんなイメージを浮かべますか? 爆弾が落ちて、人が殺されて、という悲惨な映像でしょう。そして、その映像の最後には敵を皆殺しにして喜ぶ兵士達の姿が浮かぶはずです。


 しかし、実は、人類の長い歴史の中で「敵を全滅させる」ことを目的としたような戦争なのです。いろいろな戦争を大まかに分類してみると、「同民族、同文化」間のものと、「異民族、異文化」間のものがあります。後者の戦争は必然的にすさまじいぶつかり合いになり、皆殺しのものになりますが、前者のものでは、できる限り「殺さず」優位に立つことが求められる場合が多いようです。そして、どちらのほうが頻度が高いかといえば、当然前者となります。
 優位に立つための戦争では、相手の士気をくじき、相手を捕虜にして身代金を取ることが目的となり、”殺されないから気軽に戦争をする”という変な状態になってしまいます。しかし、このような、ある意味牧歌的とも言える中世の戦争は、武器の変化や「統一国家」の誕生によって大きく変わりました。


 変化の最大のきっかけは「市民革命」です。市民革命で王を追放した民衆は、王のために戦争をするのではなく、自分のものである「国」のために進んで戦争をします。いやがる国民を無理やり戦地に送るのではなく、やる気に満ちて戦場に赴く人々が出てくると、動員される兵士の数は一気に増え、50万、100万の軍隊が当たり前になりました。そして、科学技術の発展とともに進化した兵器が与えられます。優秀な兵器を持つ大軍同士が正面からぶつかり合う状態になったのです。この流れの最後に第2次世界大戦があります。

 戦争の歴史は世界の歴史と分かちがたく結びついています。講座の中では戦争と国家の相互関係と変化を、ヨーロッパに範囲を絞って見ていきました。


 つたない説明ではありましたが、戦争という、ある意味あいまいなテーマについて、新しい見方を持って帰ってもらえれば幸いです。



■□■□■□■□■□ イベント情報 ■□■□■□■□■□

『今の子どもたちにはこんな父親が必要だ!』

2012年に開催し大好評だった「平成父親塾」。
今回はさらにパワーアップして第2弾をお送りします!

講 師:管野淳一(教育研究所ARCS所長)
ゲスト:鈴木久夫(塾クセジュ代表)

日時:2014年7月5日(土)19:00~21:00(開場18:30)
場所:アミュゼ柏・クリスタルホール(千葉県柏市柏6丁目2番22号)

イベント申込み締切日:2014年7月4日
http://arcs-edu.com/event.html





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