「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」

のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう

 

 

本日は8月8日

理念と経営2026年8月号より
「特集1」

追手門学院大学経営学部
教授
高嶋克義(たかしま・かつよし)

 

 

 TODAY'S
 
「考える」プロセスを組織に埋め込む

営業活動がデジタルに取って代わられる・・・・・という危機感がある一方、人間ならではの感性を見直すべきとの考えもある。AIが驚異的な進化を遂げる今こそ、このバランスを考えたい。定められた仕様の範囲で標準的な答えを出すムー。対して人間が持つ強みは、数値に置き換えられない感覚を研ぎ澄まし、自らの頭で考え、そこに意味を見いだせることにある。高娟教授が説くのは、こうした人間の特性を組織に埋め込み、新たな価値を生む営業のあり方だ。。
P22抜粋

ポイント

1. AI時代ほど、人間の「考える力」が重要

高嶋克義教授は、営業やマーケティングでデジタル・AIの活用が進む一方、

人間にしかできない価値創造がある

と指摘します。

AIは、

  • 情報整理

  • 分析

  • 見える化

  • 効率化

には強い。

しかし、人の表情や雰囲気、言葉にならない違和感を感じ取り、その意味を考えることは人間の重要な役割です。


2. 顧客とは「価値を共創する関係」をつくる

従来は、市場を分析し、計画を立てて販売する方法が中心でした。

一方、顧客が明確な場合には、

顧客との信頼関係を築き、対話の中から新しい価値をつくる

関係性マーケティングが重要になります。

顧客自身も、自分の本当の課題を明確に理解しているとは限りません。

営業は、顧客と一緒に課題を発見する役割を担います。


3. 戦略は現場でも修正する

関係性マーケティングでは、最初につくった戦略をそのまま実行するだけでは不十分です。

現場で、

  • 顧客の反応

  • 新しい情報

  • 想定外の課題

を受け取りながら、戦略を修正します。

現場の営業担当者にも、考えて戦略を変える力が必要になる。


4. AIは「答え」ではなく「道具」

生成AIに、

  • 課題抽出

  • 分析

  • 解決策作成

まで全面的に任せてしまうと、人が考えなくなる危険があります。

AIは与えられた情報や仕様の範囲で答えを出すものです。

AIを使って考えるのではなく、AIを使いながら自分でも考えることが重要。


5. 感覚はデータに表れない情報を拾う

例えば店舗に二人の顧客が来た場合、データ上では購入履歴の多い人が有望に見えるかもしれません。

しかし販売スタッフは、

  • 表情

  • 服装

  • 振る舞い

  • 会話

  • 雰囲気

から、別の顧客に可能性を感じることがあります。

営業経験によって培われる感覚は、数字では見えない情報を捉える。

データと感覚の両方を使うことが必要です。


6. 既存顧客の「その先」を見る

既存顧客へのご用聞きだけでは、成長には限界があります。

重要なのは、

  • 顧客の周辺に何が起きているか

  • 顧客自身がまだ気づいていない課題は何か

  • 同じ問題を抱える企業は他にもないか

まで考えることです。

そこで生まれた解決策を別の顧客へ展開すれば、新規顧客や新事業につながります。

一社の課題解決を、市場全体の価値へ広げる。


7. 「考える」を個人任せにしない

営業担当者一人が考えるだけでは不十分です。

  • 現場で課題を見つける

  • 組織で共有する

  • 複数人で解決策を考える

  • 顧客と試す

  • 他の顧客へ展開する

という流れを仕組みにする。

経営者やマネジャーの役割は、「考えるプロセス」を組織文化にすること。


結論

AI時代の営業で重要なのは、

AIに考えてもらうことではなく、AIによって人間がより深く考えられる状態をつくること

です。

デジタルは効率化と情報共有に使い、人間は、

  • 違和感を感じる

  • 課題を発見する

  • 意味を考える

  • 顧客と対話する

  • 新しい価値をつくる

ことに集中する。

これが、AI時代に残る営業の本質です。


水平思考

営業を「売る仕事」ではなく、

顧客と一緒にまだ存在しない答えをつくる仕事

と捉えることができます。

そう考えれば、AIは競争相手ではなく、情報整理を代行してくれる補助者になります。

人は、より価値の高い「問いをつくる仕事」に集中できます。


量子思考

AIと人間は、

  • AIか人間か

という二者択一ではありません。

AIの分析力 × 人間の感覚・経験・対話力

を組み合わせることで、単独では生まれない価値が生まれます。

効率化する部分ほどAIへ任せ、人間は曖昧で答えのない部分へ時間を使うべきです。


自社への活用方法

活用キーワードは、

AIは道具・現場感覚・課題発見・顧客対話・組織共有・価値共創・その先を見る・新規展開

共有すべき視点は、

  • AIの答えをそのまま採用しない

  • 現場の違和感を残す

  • 顧客の言葉にならない課題を見る

  • 担当者だけで抱え込まない

  • 一つの解決策を他分野へ展開する

ことです。


自社の哲学と照らし合わせて

今回の内容は、自社の、

  • イノベーション

  • 当事者意識

  • 多様性

  • 正しい評価

  • シンプル

と非常に相性がよい考え方です。

特に当事者意識とは、

AIに答えを求めるのではなく、自分自身で問いを持つこと

です。

また「世界に一つしかない組み合わせを育て続ける」ためには、データだけでは見えない地域、人、顧客の違和感を拾い上げる必要があります。

最後に一言でまとめるなら、

AI時代に価値を生む人とは、答えを早く出す人ではなく、現場から良い問いを見つけ、仲間と考え続けられる人である。