「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」
のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう
本日12月16日
理念と経営2025年12月号より

偉大な父に続く二代目の“挑戦“
神戸市中央区に本社を置く井本商運。その二代目である井本陸之さんは、「わが社の歴史は挑戦の歴史だった」と語る。赤字だった経営状態から業績を回復させた、その挑戦。 とは
P44抜粋
① ポイント(要点)
■ 1. 「挑戦あるのみ」―赤字からの逆転ストーリー
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阪神淡路大震災で貨物激減 → 赤字・不採算便休航からスタート。
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経営セミナーで
自分が「他責・悲観・守り」の社長だった
と気づき、“挑戦する社長”に思考を切り替えた。 -
経営理念:
「挑戦あるのみ」
たゆまぬ挑戦により先駆者たり続ける
■ 2. 最大の挑戦:貨物がないのに大型船を造る決断
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先代は「小型で細やかサービス派」、二代目は「大型コンテナ船派」で対立。
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普通は「貨物があるから船を造る」のに、
井本社長は 「船を造ってから、顧客と航路をつくる」 という逆張り。 -
数十億の投資・貨物未定・銀行も難色、という三重苦の中で
自ら銀行へ行き、「本当の決算と展望」を自分の言葉で説明。 -
その後、大型船を連続建造 → 東日本航路開拓・モーダルシフト追い風もあり、
売上:30億 → 165億・国内内航フィーダーの7割シェアへ。
■ 3. 「公益のために不利益を被る」利他の決断
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東日本大震災後、がれき輸送を原価で受託。
→ 利益ゼロに近いが、「復興支援だからそれでいい」と判断。 -
その姿勢が評価され、その後のがれき輸送・災害対応ビジネスにつながる。
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災害時も船主への用船料を下げず、
「天災は船主のせいではない。マイナスは自分がかぶる」
という筋の通し方。
■ 4. 人材・教育への投資(自社船員化と教育会社)
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2017年から自社船員の採用を開始(理念に共感する仲間と航海するため)。
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2023年、船員教育のために「神戸海洋技術株式会社」を設立。
シミュレーターで操船訓練・事故振り返り・人間力の向上まで含めた教育。 -
求める人材像:「自立自責型」。
→ 社長自身もまず自分が自立自責でいると決めている。
■ 5. 先代へのリスペクトと「自分の使命」の理解
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赤字で父と大ゲンカ。「嫌なら一から自分で会社を作れ」と言われる。
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そこで気づく:
自分は「ゼロからレールを引いた人」ではなく
「父が敷いたレールの上でバトンを受け取った機関車」 -
「父は超えられない」と認めたうえで、
“レールから脱線せずに、次世代につなぐこと” を自分の使命と定義。 -
次なる挑戦:父が作った土台を引き継げる人材を育てること。
② 結論
「挑戦」を軸にしつつ、
“利他性”と“次世代への継承”まで含めて経営している会社は、
結果として『先駆者ポジション』と圧倒的シェアを手に入れる。**
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逆境の中で “守り”ではなく“攻め(大型投資・新航路開拓)” を選んだ。
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公益のために自社の短期利益を削る 利他の意思決定 をした。
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それを支えるために、教育・人材・次世代育成に投資 している。
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つまり、
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挑戦
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利他
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継承・教育
の三つが揃うと「二代目の挑戦」が“単なる代替わり”ではなく
“新しいレールを延ばす仕事” に昇華する、という事例。
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③ 自社への活用
1. 「貨物がないのに船を造る」= 先に“場”と“器”をつくる発想
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例:
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まだ顧客が見えていなくても、
伊勢型紙の多言語サイト/越境EC/体験予約導線を先に整える。 -
まだ満室確定ではなくても、
移住者向けの情報ページや“暮らしのハブ”となるコンテンツを先に作る。
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量子思考でいえば
→ 「需要が確定してから動く」ではなく
「実験の場を先に立ち上げて、そこに確率を集めていく」 という戦略。
2. 銀行・行政・パートナーへの「本音とビジョン」での交渉
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井本社長は、「隠さず本当の数字・本当の見通し」を自分の口で話したことで信頼を獲得。
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これを、
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公庫融資
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県や市の創業支援・補助金
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地方銀行との関係
にそのまま応用できる。
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「仕掛け人としての構想」「地域への利他性」「数字のリアリティ」
をセットで語ることで、信用を積み上げる。
3. 「公益のために自社の利益を削る」プロジェクトを一つ持つ
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例:
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外国人入居者向けの生活ルールアプリを、赤字覚悟でも地域に提供。
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移住希望者向けに、無料のオンライン相談・地域案内を続ける。
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短期で見ると儲からないが、
「この人/この会社は“公益のために動く”」という評判 が
長期的に資産になる(井本商運のがれき輸送と同じ構造)。