瀬戸内アート散策2025 (3) 志度・津田・引田 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

瀬戸内国際芸術祭2025、2日目の午後は今回から新たに会場となった志度・津田・引田エリアへ。

 

本当はその前にうどんでも食べたかったのですが、屋島で思いのほか時間を費やしてしまったため断念。

 

ローソンで骨付鳥味のからあげクンを買って、一応香川らしいものを食べたということにして志度へ。

 

志度は江戸時代の奇才、平賀源内先生の出身地。

 

その平賀源内旧邸も芸術祭の会場になっていました。

 

 

 

旧邸の隣に立つ平賀源内の銅像。

 

親友であった杉田玄白が贈った句が刻まれています。

 

 

 

旧邸の裏には本草学にも精通していた源内先生の薬草園が再現されています。

 

 

st04-1 筧康明 Echoes as Air Flows

 

旧邸内では鑑賞者が吹きかける息に反応するインスタレーションが4点展示されていました。

 

この1点は目の前で反応を楽しむものでしたが、残りの3点は、志度駅や本島などの遠隔地のライブカメラ映像が写されており、目の前の装置に息を吹きかけると、遠隔地でシャボン玉が飛び、周りにいる人たちが反応するという仕掛けになっていました。

 

 

st03 やんツー 風雷讃甚

 

続いては平賀源内記念館。

 

2Fの展示会場には空間全体をエレキテルに見立てたエレクトリカルな作品が展示されていました。

 

1Fは平賀源内を紹介する通常展示でしたが、大河ドラマべらぼうの主人公蔦屋重三郎との関係については特に触れられておらず、人物相関図にも蔦重の名は入っていませんでした。

 

実際に蔦重との関係が明らかになっているのは、蔦重が編集にかかわっていた吉原細見に源内先生が序を寄せたということだけのようですが...

 

ただ、太田南畝については「寝惚け先生文集」に序を寄せたことが紹介されていました。

 

 

st02 ニール・メンドーサ 合成されし魂

 

続いてはあらゆるものに魂が宿るという付喪神に着想を得た作品。

 

ゆっくりと足を運ぶ足袋が、モニターを通過する際に付喪神の姿に変化します。

 

 

 

こちらの建物は元酒屋ということで、とっくりが付喪神に変化する作品もありました。

 

映し出される付喪神は生成AIっぽい画像なんですが、どうなんだろうか?

 

 

 

最後は、四国八十八ヶ所霊場第八十六番札所志度寺にある作品。

 

 

st01 リーロイ・ニュー メブヤンのバランガイ(メブヤンの船または聖域)

 

竹とペットボトルを組み合わせた巨大作品は初めて見るような気がします。

 

 

 

境内の最奥にももう一体。

 

 

 

重森三玲作庭の無染庭とのコラボ。

 

志度はちょうど一番暑い時間帯に、けっこう歩かされて疲れました。

 

 

st05 ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット 時間との対話

 

志度から津田へ移動。

 

こちらは景勝地津田の松原にあるこの1作品のみ。

 

 

 

このようなレンズを使った作品では、犬島で見た荒神明香さんの作品が印象的でしたが、こちらも素敵です。

 

 

 

レンズを通して見る、光の屈曲が織りなす多層的な景色がなんとも不思議で、また、1つ1つのレンズが小さめなので、水中で浮き上がる無数の水泡を見ているかのような錯覚も覚えます。

 

 

hk02 レオニート・チシコフ みんなの手 月まで届く手袋を編もう!

hk03 マリーナ・モスクヴィナ てぶくろの童話

 

最後、津田から引田へ移動。

 

手袋の製造が盛んな町ということで、東かがわ手袋ギャラリーにはこのような巨大な手袋の作品が。

 

 

 

月まで届く手袋を作ろうということで、伸ばした指先には月。

 

手袋のそばに佇む宇宙服の人物は月に行く気満々のようですが、少しうなだれてるのはやっぱり無理だと諦めているのか?

 

奥の部屋にはこの手袋の物語を紡いだ絵本の展示もありました。

 

 

 

屋根裏にはこのような作品も。

 

作品も印象的でしたが、巨大手袋の周囲や壁一面に無数に展示されている古い手袋の型、織機、ミシンなども壮観でした。

 

 

hk01 ラックス・メディア・コレクティブ KASAYAソーシャル/パフォーマンス・スペース+アートワーク

 

こちらは酒造りや醤油造りに使う桶から着想を得た作品。

 

 

hk04 沼田侑香 積層される情報

 

こちらは大漁旗をイメージしたドット絵風の作品。

 

 

 

よく見ると、一つ一つのドットはペットボトルの蓋を押しつぶして作られたチップで構成されています。

 

自分が飲んだペットボトル飲料の蓋だけで作るとしたら、どれだけの年月が必要になるのだろうとふと考えてしまいます。

 

 

hk04 新居俊浩 引田市井分解図

 

最後はこちらの作品。

 

引田の人々から聞いた話をもとに、その人物の営みを12枚のカードに分けて引田の人の暮らしぶりを紹介しているものなのですが、その下に描かれたその人物の全体像がプラモデルをパーツに分解したような図でとても面白かったです。

 

以上、2日目の午後は駆け足気味ではありましたが、何とか夕方までに志度・津田・引田エリアの全作品を鑑賞できてよかったです。


 

今回、久しぶりに夏会期の瀬戸内国際芸術祭を訪れましたが、熱中症対策のため、休憩所、給水スポットの設置、うちわの配布、日傘の貸し出しなど、あらゆる対策がされてはいたものの、それでもやはりこの暑さはきついですね。

 

本当は四国に来たついでに、翌日剣山に登って帰ろうかと思っていたのですが、この2日でけっこうバテたし、このところ山の天気も不安定で、午後には必ず雨が降り雷もという状況のようでしたので、取りやめて帰路につきました。

 

芸術祭は楽しいし、夏休みのこの時期に開催することも悪くないのですが、この猛暑だけはなんとかしてほしい(したい)ものです。