瀬戸内アート散策2025 (2) 高松港・屋島 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

tk01 大巻伸嗣 Liminal Air -core-

tk27 佐藤研吾、五十嵐靖晃 《高松港プロジェクト》

 

瀬戸内国際芸術祭2025、1日目の大島訪問の前後は、高松港周辺のアート作品をいくつか巡りました。

 

高松港のシンボルタワーとしてすっかり定着した"Liminal Aire -core-"と2019年に沙弥島で見た"そらあみ"。

 

高松港は芸術祭の表玄関として一層華やかになり、来訪者の気分を盛り上げています。

 

 

 

こちらは高松港から高松城を挟んで反対側にある香川県立ミュージアム。

 

 

tk13 小沢剛の讃岐七不思議

 

こちらでは、「小沢剛の讃岐七不思議」という特別展で、香川に所縁のある猪熊弦一郎やイサム・ノグチの作品などがいろいろと組み合わされて展示されていました。

 

 

 

リョースケサンとヨベッサン。

 

よくわからなかったですが...

 

 

tk30-2 《ベトナムプロジェクト》ベトナム現代美術展「共鳴のコレオグラフィー」

 

瀬戸内国際芸術祭2025では、ベトナムに着目した《ベトナムプロジェクト》が開催されており、その一環として香川県立ミュージアムでもベトナム現代美術展が開催されていました。

 

 

 

こちらも、ちょっと深すぎてよくわからなかったです。

 

 

 

香川県立ミュージアムでは常設展も観ることができ、高松松平家の歴史資料の展示、空海の生涯と事績の展示、古い観光案内図や絵葉書の展示、香川ゆかりの作家の絵画作品など、こちらの方は興味深く見ることができました。

 

また、歴史展示室では、古代から近現代までの香川の歴史の展示が充実しており、こちらも楽しめました。

 

普段でも見学の価値のあるミュージアムだと思います。

 

 

 

《ベトナムプロジェクト》では高松港で雑貨やフードなどを販売するマルシェも開催されており、練乳にココナッツミルク入りのベトナムコーヒーなるものを飲んでみたのですが、暑さにバテた身体に沁みるおいしさでした。

 

 

tk29 妹島和世+西沢立衛/SANAA 香川県立アリーナ(あなぶきアリーナ香川)

 

高松港最後は外観だけですが、今年完成したばかりというSANAA設計の香川県立アリーナ。

 

なぜだか完成イメージ図みたいな写真になってしまいましたが、丸みを帯びた屋根のフォルム、白やシルバーを基調としたデザインはSANAA的でとてもきれいです。

 

 

tk23 保科豊巳 屋島での夜の夢

 

瀬戸内国際芸術祭2025、2日目の午前中は屋島のアート作品を巡りました。

 

屋島山上の獅子の霊厳という展望台にあるくねくねとした回廊型の建物が特徴的なやしま~る。

 

これもSANAAっぽいデザインだなと思って、設計者を調べてみると周防貴之/SUO+Style-A設計共同企業体ということだったんですが、周防貴之さんはSANAAから独立された建築家とのことで、なるほど納得です。

 

やしま~るでは、源平の屋島の戦いを明治時代に流行したパノラマ館の手法で表現した「屋島での夜の夢」という作品を鑑賞。

 

 

tk31 《屋島アートどうぶつ園-海と森のむこうがわ》

 

やしま~るの回廊の内側には、水陸、様々な動物アートも展示されていました。

 

 

 

中には越後妻有の里山アートどうぶつ園で見た作品もありましたが、こういうアートはわかりやすくて子供でも楽しめます。

 

 

tk20 四国村ミウゼアム

 

やしま~るの作品を鑑賞した後は、屋島の麓にある四国村ミウゼアムへ。

 

”おやねさん”という愛称のエントランスの建物も作品の一つになっているそうです。

 

 

 

四国村ミウゼアムは、四国中から民家を中心とした古い建物が移築されており、それらを見学できる博物館になっています。

 

エントランスから中に入ったら、「流れ坂」という坂を登って各建物を巡っていきます。

 

この「流れ坂」は彫刻家流政之さんの作品だそうです。

 

 

 

本気のかずら橋もありました。隙間が大きくてかなりスリリング。

 

 

 

民家の建物はこういうどこかで見たことのあるようなものが多かったですが、

 

 

 

かまどの上に何やら釣鐘のようなものが吊るされている家が珍しかったです。

 

 

 

この釣鐘のような物体は和紙の原料となる楮を蒸すときの蓋にする大桶で、釜の中に楮を立てて並べて、上からこの大桶を下ろしてきて蓋をして蒸すのだそうです。

 

楮蒸し専用の楮蒸し小屋もありました。

 

 

 

楮蒸し小屋以上に興味深かったのは讃岐名物「讃岐三白」のひとつ、和三盆の原料となる甘蔗(サトウキビ)を絞るための砂糖しめ小屋。

 

 

 

円形の小屋の中央には歯車で連動する3つの石臼が並び、中央の軸から横に張り出した腕木を牛にひかせることによって石臼を回転させ、石臼の間に通したサトウキビを絞るという仕掛けになっています。

 

外から見た円形の可愛らしいフォルム、内側の小屋組みの構造などがとても美しいです。

 

インフォメーションセンターでは、和三盆の製造過程を紹介するビデオも放映されており、高級なお砂糖という認識しかなかった和三盆が、ものすごい手間をかけて作られていることに驚きました。

 

 

 

あと、灯台エリアというところがあって、広島県竹原市の沖合の大久野島にあった大久野島灯台が展示されていました。

 

この灯台も小ぶりで純白で可愛らしいのですが、

 

 

 

その奥に三棟並んで展示されていた灯台の退息所(灯台守の宿舎)が、意外に豪華で驚きました。

 

揃って石造りの洋館なのは、明治時代に整備された初期の灯台は、お雇い外国人によって設計・運用されていたからだそうで、一番手前の退息所は、神戸港開港にあわせて淡路島の北端に設置された江崎灯台の退息所で、阪神淡路大震災で倒壊したものを移築・復元したものなのだそうです。

 

江崎灯台自体は現存しており、国の重要文化財にも指定されていますので、また機会があったら観に行きたいと思います。

 


 

そして、芸術祭の作品ですが、安藤忠雄設計の四国村ギャラリーで「猪熊弦一郎 From, People, Living 身の回りにある、秘密と美しさ」という特別展が開催されており、夏会期の現在は「People=人」をテーマにした作品が展示されていました。

 

ギャラリーの下には水の流れる庭園があり、散策できるようでしたが、水辺でもまったく涼しさを感じない酷暑のためパスさせていただきました。

 

 

 

あとは、「装う神さま」という作品が各所に点在していました。

 

こちらは「なでうさぎ」。

 

 

 

こちらは「雨降使(アメフラシ)」。

 

 

 

各作品には昔話が添えられているのですが、このアメフラシのお話は、まるで今年の夏、つい数日前に起ったことを暗示していたかのようで、とても印象に残りました。

 

 

 

最後は「染が滝」。

 

昔の砂防堰堤のようにも見えますが、これも「流れ坂」と同じく、流政之さんの作品だそうです。

 

四国村ミウゼアムは、サクッと芸術祭の作品を鑑賞するだけなのかなと思いきや、本来の展示物が非常に充実していて、むしろそちらのほうが面白かったです。

 

香川県立ミュージアムなどと同様、こういった施設は芸術祭の鑑賞パスポートとは別に入館料(鑑賞パスポート提示で割引あり)が必要で、芸術祭の作品とともに、通常の展示も楽しんでくださいという趣旨になっているのですが、その分、鑑賞に時間を要しますので、予定に組み込む場合は注意が必要です。

 

(3) へつづく...