藤田嗣治×国吉康雄展 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

涼を求めて、兵庫県立美術館に藤田嗣治×国吉康雄展を観に行ってきました。

 

ただ、着くまでが大変。

 

海風の影響で大阪や京都に比べると若干涼しい神戸とはいえ、この猛暑では焼石に水。

 

美術館に着いても、しばらくは汗が引きませんでした。

 

 

 

藤田嗣治と国吉康雄。

 

藤田嗣治はエコール・ド・パリ日本代表、大好きな画家のひとりですが、同じ頃アメリカで高く評価されていたという国吉康雄については無知でした。

 

ということで、藤田嗣治の絵を楽しみつつ、国吉康雄という人がどんな画家だったのかを知ろうと訪れた次第です。

 

 

藤田嗣治「姉妹」1950

 

今回、写真撮影可だったのは、国吉康雄の晩年、1950年代の作品数点のみ。

 

 

藤田嗣治「室内」1950

 

藤田嗣治に関しては、戦後、子供の絵を多く描くなど、画題が変化していますが、「乳白色の下地」と面相筆を用い、日本画の技法を取り入れた独自の画風は大きくは変わらず。

 

 

藤田嗣治「二人の祈り」1952

 

「自画像」、「タピスリーの裸婦」、「舞踏会の前」などの代表作や、過去に観て印象的だった作品もかなり出展されていて、とてもよかったです。

 

あと、戦後、藤田嗣治らと交流し、支援したフランク・シャーマンに宛てた藤田嗣治の絵入りの手紙がいくつか展示されていたのですが、それらがとてもかわいらしくて印象的でした。

 

 

国吉康雄「ミスターエース」1952

 

一方の国吉康雄に関しては、戦後、このような色調の作品に変わっていますが、戦前の最も活躍していた時代の作品は、マホガニーブラウンを基調とした重苦しい色調で、かなりたくましくデフォルメされた人物の造形が、個性的で何かを主張する力強さは感じるものの、個人的な好みにはまったくはまりませんでした。

 

 

そして、この丸眼鏡にチョビ髭というどことなく似た雰囲気もある二人の関係性については、ニューヨークにおいてわずかに交流の機会があったということが最近明らかになったそうですが、特に深い関係性はなかったようです。(互いに意識はしあっていたのかもしれませんが。)

 

ただ、同じ時代にかたやフランスで、かたやアメリカで活躍し、かたや帰国して、かたやアメリカで適性外国人として戦争を迎えた両者の対称性と、作風の違い、変化、そういったところが面白いなと思いました。

 

 

 

藤田嗣治×国吉康雄展を観た後は、コレクション展と、Ando Galleryを見て、閉館ギリギリまでたっぷり3時間ほど涼ませていただきました。


 

 

帰路、振り返るとカエルが...暑さで干からびた?

 

一瞬見てはいけないものを見てしまったような気がしますが、明日は休館日だし、閉館後は空気を抜くということ?

 

 

兵庫県立美術館は、2020年のゴッホ展以来、久々でしたが、やっぱり展示室が広々としていていいですね。

 

最近は、興味ある展覧会が大阪中之島美術館やあべのハルカス美術館で開催されることが多くて来る機会がなかったので、もうちょっと頑張ってほしいところです。
 

 

 

余談ですが、今回はチケットに感心しました。

 

以前はどの特別展でも美術館の建物の写真がデザインされた小さめのチケットだったのですが、今回は特別展のロゴやタイトルがデザインされたチケットになっていました。

 

最近はQRコードと月並みなフォントで展覧会名称や日時を印字した味気ないチケットや、スマホで提示する電子チケットが多いですが、チケットの半券を思い出としてとっておきたい人にとっては、こういうチケットの方がうれしいと思うんですよね。

 

今回たまたまなのか、最近こういうチケットにしているのかわかりませんが、これは続けてほしいと思います。