風土 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

 

だいぶ前に買ったけれども、途中で止まっていた本。

 

「読み」の整理学を読んで、もう一度ちゃんと(?)読んでみました。

 

風土をモンスーン型、砂漠型、牧場型の三つの類型に分け、風土が人間の性質や文化にどのような影響を与えるのかを考察した本書は、自然環境と文化の関係性の理解において、その後の日本の社会科学や人文学などに大きな影響を与えています。

 

モンスーン型はインドから中国、日本まで、温暖湿潤なモンスーン気候の地域を指し、豊かな自然の恵みを受ける一方でしばしば自然の脅威にもさらされるという風土的特徴があり、一般にこの地域の人間は受容的、忍従的である。

 

砂漠型は中央アジア、アラブ、アフリカなど、砂漠に代表されるような乾燥地域を指し、死の脅威を持って迫る自然に対して人間は対抗的、戦闘的である。
 

牧場型はヨーロッパで、夏の乾燥と冬の湿潤という気候的な特徴があり、自然が人間に対して従順である。

 

もちろん、本書の中でも中国と日本をモンスーン的風土の特殊形態として個別に考察するなどしているように、各類型に属する地域の中でも風土的な特徴に違いはあるのですが、幅広い知識と見聞を結び付けた論考には説得力があり、大分類としては、なるほど、こういう風土だから、こんな考え方をするんだ、こういう社会、文化が成り立っているんだと、腑に落ちるところが多々あります。

 

読むのも理解するのもなかなかに難しく、少々流し読みもしましたが、世界の見え方がまた少し変わりました。