京都モダン建築祭の続き。
紫明会館のあとは教会建築3連発。
まずは北大路通沿いにあるヴォーリズが手掛けた京都復活教会です。
鐘楼部分の窓はゴシック様式の特徴である尖塔アーチでトレーサリーと呼ばれる透かし彫りも施されています。
内部では、天井部分の木の小屋組みが目を引きます。
正面には復活のイエス・キリストのステンドグラス。
教会では窓の装飾が特に好きです。
尖塔アーチにトレーサリー。そして窓によって異なる十字架の意匠。
とてもきれいです。
続いては地下鉄北大路駅の少し北にある日本福音ルーテル賀茂川教会です。
京都復活教会とは全く趣が異なりますが、こちらもヴォーリズ建築の教会です。
私にはこちらの教会のほうがヴォーリズらしさを感じます。
内部はトラス構造の小屋組みで装飾も非常にシンプルです。
先ほどの京都復活教会に比べると小さな教会で、個人的なイメージですが、ヨーロッパの田舎町にある教会といった風情が感じられます。
落ち着いた雰囲気が心地よい空間です。
そして、大きく移動して、御所の西側にある聖アグネス教会(平安女学院礼拝堂)へ。
J.M.ガーディナー設計の京都最古の聖堂建築だそうです。
かなり大きな教会で、外観はレンガ造で重厚感がありますが、内部は木の小屋組みなど木が多く使われています。
祭壇もかなり大きいです。
隅に設けられたこのスペースは洗礼室だそうです。
後ろの壁の上方にあるステンドグラス。
こういう窓はゴシック建築においてバラ窓というらしく、ここでは西側のバラ窓なので「西バラ窓」だそうです。
各窓のステンドグラスも素敵です。
柱に取り付けられたランプの灯りも趣があります。
(背後はパイプオルガンのパイプ)
最後は日本最古の現役官公庁舎、京都府庁旧本館。
こちらは北側の玄関。
北側の玄関を入ったところには旧議場があります。
議長席を中心に扇形に配置された議員席。
見上げれば天井が高く、壁面にはさまざまな様式の装飾が施されており、格式の高い空間となっています。
旧議場を見学した後は、ロの字型に配された庁舎をぐるっと回って政庁、旧知事室へ。
その途中の階段や、
通路も味があり、ついつい立ち止まって見入ってしまいます。
正面の階段。
風格があります。
やっぱり、モダン建築は階段が一番好きです。
階段を上がって正面、つまりは建物の正面にあたる部屋は政庁。
折上小組格天井や三連の縦長窓とその上の丸窓が特徴的な格式の高い部屋です。
こちらは京都府歴代の知事が執務を行った旧知事室。
実務のための部屋ではありますが、この暖炉や格天井、廻り縁など、随所に凝った装飾が施されています。
正面玄関。
先ほどの政庁の丸窓の縁などにも凝った装飾が見られ、その手前にはバルコニーもあり、宮殿のようなとても美しい構えです。
さすが、明治以降の府県庁舎建築の模範となった名建築です。
京都府庁旧本館の見学を終えたのは閉館時間の17時。
その他の公開建築も17時で終了となるため、本日のモダン建築巡りもここまで。
今日は西陣、北大路、御所西エリアの合計9建築を見学しましたが、これでも全公開建築の半分も見れていません。
パスポートは9日、10日の2日間有効なので、2日かかければすべて回れるかもしれませんが、きっと来年以降も開催してくれると思いますので、今日見学できなかったところは、また来年以降の楽しみにしたいと思います。
今回初めて参加した京都モダン建築祭ですが、想像していたよりも多くの人たち、それも男女問わずかなり幅広い年齢層の人たちが楽しまれていて、寺社仏閣だけではない京都、モダン建築の魅力というのがけっこう広まっているのだなと感じました。
また京都だけでなく、大阪、神戸のモダン建築もめぐってみたいと思います。