滋賀の金勝(こんぜ)アルプスを歩いてきました。
はじめてなので、今日は鶏冠山と竜王山という2つのピークと主要な見どころを巡る周回コースを歩きます。
まずは一丈野駐車場から落ヶ滝へ。
花崗岩の岩盤を流れ落ちる滝で、水量はそれほど多くありませんが、人工的に作られたかのようにも思えるような直線的な造形が印象的です。
花はチラホラ。
ニガナ。
タツナミソウ...属。
ツルアリドオシ?
木から落ちてきた花弁なのかと思ったら、地面から生えていた2~3mmの小さな花。
落ヶ滝からは少し戻って北峰縦走線というルートに入り、鶏冠山へ。
途中、K-3というポイントから近江富士(三上山)とその手前に栗東トレセンが見えました。
鶏冠山(490.9m)。三等三角点。
それほど標高差のない金勝アルプスですが、この鶏冠山への上り下りはなかなかの急登でした。
鶏冠山からは引き続き北峰縦走線を歩いて、竜王山へ。
鶏冠山から鞍部へと100mほど下り、そこからは風化した花崗岩帯を進みます。
尾根道ですが、こんな風に道が深くえぐれているところもあります。
前方に竜王山が見えてきました。
稜線の左寄りのピークが竜王山。右端に見える岩塊のピークは金勝アルプス一のビューポイント、天狗岩です。
稜線上にはチラホラとまだモチツツジが咲いていました。
これはネジキの花かな?
天狗岩が近づいてきました。
このあたりは花崗岩の露頭がたくさん。
天狗岩に到着。
行けるところまで、登ってみます。
左手から回りこむように登っていき、この足場を渡って岩の隙間をさらに登っていくと天狗岩の手前の広く平らな岩の上に出ます。
北西方向の眺望。
右手前に鶏冠山。
その向こうに琵琶湖があり、琵琶湖の向こうの山並みは、中央やや左寄りに比叡山、右奥のほうに比良山系、左奥の山は愛宕山です。
北東方向の眺望。
三上山や遠くには伊吹山も見えました。
天狗岩。
見る角度によって同じ岩なのかと思うくらい形が違っていて面白い。
天狗岩でお昼を食べながら、しばらく眺望を楽しんだあと、竜王山へ。
途中で振り返る天狗岩と右に鶏冠山、左奥に比叡山。
耳岩。
茶沸観音。
竜王山山頂下にある祠は麓(栗東トレセンの方)にある大野神社の境外社だそうです。
竜王山(604.7m)。
眺望はわずか。
花崗岩の露頭の向こうに栗東トレセンが見えます。
竜王山からは白石峰まで北峰縦走線を引き返し、そこから狛坂線というルートを下ります。
重岩。
国見岩付近から見下ろした景色。
森の中を突っ切っている道路は新名神高速道路。
狛坂摩崖仏。
奈良時代後期に渡来系の工人によって彫られたと推測されているそうです。
狛坂線を下るとあとは林道を歩いて登山口に戻るだけ。
途中にあった低木に咲いていたこの花はガンピ(雁皮)の花のようです。
コウゾ、ミツマタと並んで和紙の原料になる木ですね。
逆さ観音。
元はもっと山の上のほうにあった阿弥陀三尊像の摩崖仏が、転がり落ちて逆さになったそうです。
オランダ堰堤。
金勝アルプスの山々は、昔は木が伐採されつくされた禿山で、そのためにたびたび発生していた洪水を防ぐために、明治時代に治山治水工事が行われたそうです。
その時、オランダから招いた技術者ヨハネス・デレーケ氏の指導の下に造られたのがこのオランダ堰堤だそうです。
優れた構造で、今も現存、現役でその効力を発揮しており、産業遺産に選定されているのだとか。
ただ、この堰堤を造るために石材を切り出したことが、先ほどの摩崖仏が逆さ観音になった一因になっているとも...
このあと間もなく駐車場に戻り、今日はトータル4時間45分の山行でした。
金勝アルプスは、花崗岩の巨岩、奇岩が点在するとても面白い山で、このあたりでは人気の山ですが、今日は平日ということもあって、人は少なく、のんびり静かな山歩きを楽しめました。
今日は歩きませんでしたが、天狗岩線というルートを歩くと、また別の巨岩、奇岩が見られ、尾根道で展望もいいみたいなので、また歩きに来たいと思います。