桜井から山の辺の道を3時間半ほどかけて歩いて、石上神宮に到着しました。
石上神宮は日本最古の神社の一つで、物部氏の総氏神だったそうです。
石上神宮の境内ではニワトリが放し飼いにされています。
それほど古くからというわけではないようですが、天然記念物の珍しい鶏もいて、神の使い「ご神鶏」として大切にされているそうです。
「ご神鶏みくじ」なるおみくじもあります。
目が合ったので引いてしまいました...
石上神宮からしばらく歩くと名阪国道をくぐります。
山の辺の道は桜井から奈良まで続いていますが、桜井~天理間がメインで、北コースと呼ばれる天理~奈良間は歩く人の数が極端に減ります。
すれ違った人の数は片手で数えられるほど。歩く人の数は桜井~天理間のおそらく数十分の一くらいかと...
石上神宮からの山の辺の道の道標に、次の目標地として「白川溜池」と記されていて、”溜池が目標?”としばらく首を傾げつつ歩いてきたのですが、ここですか。
「白川ダム」とも呼ばれるダムとしての役割も担う大きな溜池で、ヘラブナ釣りの人がたくさんいました。
白川溜池の次の目標は弘仁寺。
参道入口、少し紅葉。
弘仁寺。
山の辺の道は境内を横切って続いています。
弘仁寺からしばらく歩くと、一旦町に出てきます。
このあたりが山の辺の道北コースのほぼ中間点になり、ここから近くのバス停まで歩くエスケープルートもあるようです。
道標に「伝・山の辺の道」とありますが、古代の山の辺の道はハイキングコースとして整備されている現在の山の辺の道とはルートが異なるところが多々あります。
弘仁寺の次の目標地、円照寺。
入ってみるとあちこち”関係者以外立入禁止”となっていておかしいなと思ったら、非公開のお寺でした。
崇道天皇八島陵。
景行天皇陵、崇神天皇陵は裏側を通りましたが、正面を通ればこのように整備されていたはず。
白山比咩神社。
山の辺の道の道中には小さなお寺や神社がいくつもあり、きりがないので多くはスルーしてきましたが、ここは白山信仰に関わる神社。
お参りしていきましょう。
奈良に近づいてきました。
観光の中心地からは少し離れたところにある白毫寺。
まだ紅葉が残っていてきれいです。
はじめて拝観しましたが、本堂の裏にある宝蔵には、平安~鎌倉時代作の重文の仏像がずらりと並んでおりなかなか見ごたえがありました。
また、白毫寺は椿が有名なようで、手前の木は五色椿という天然記念物の椿の木で、赤、白、紅白絞りなど様々な色の花を咲かせるそうです。
椿の花の時期に見に来てみたいですね。
白毫寺は高台にあり、境内からの眺めも抜群でした。
山門の向こうに生駒山がよく見えます。
白毫寺の次は新薬師寺。
国宝の十二神将像がかっこいいのですが、今日はパス。
こちらも少しきれいな紅葉がありました。
春日大社まで来ました。
ここからは奈良の観光の中心地。
観光客、特に外国人観光客が目立ちました。
紅葉もところどころ残っていました。
鹿に紅葉。
猿沢の池と興福寺五重塔。
このあと、近鉄奈良駅まで歩いて、トータル約36km、約8時間半。
この季節でもなんとか日没までに歩ききることができました。
飛鳥・斑鳩なんかもそうですが、記紀・万葉の時代に思いを馳せられる道というのは、奈良独特でたまに歩くといいものです。
ただ、歩く人の数が証明していましたが、山の辺の道はやはり、桜井~天理間をいろいろ観ながらゆっくり歩いたほうが楽しくていいですね。
道標などを整備してくれている奈良県には申し訳なくも思いますが、今度歩くときはそうするかな。