ちょっと、近場でブナなどの山の紅葉が見たいなと思い、前から行ってみたかった峰床山、八丁平に行ってみました。
坊村から登りましたが、ちょっと心配だったのが駐車場。
この時期、坊村からは武奈ヶ岳に登る人が多そうなので、満車になることを恐れて早めに家を出て6時40分に着いたのですが、まだ半分も埋まっていなくて大丈夫でした。
7時頃に続々と車が入ってきたので、大体7時を目安に着くようにすれば大丈夫っぽい...かな?
峰床山の登山口は、坊村の駐車場から少し北に歩いたところにありました。
登山口からはまず、鎌倉山という山を目指します。
いきなり結構な急登でしたが、早くも紅葉が現れます。
朝日が差し込み、朝霧が霧散しつつある隣の尾根がいい雰囲気。
坊村からはやはりほとんどの人が武奈ヶ岳に向かったようで、こちらの登山道は他の登山者の気配が全くなくとても静か。
広葉樹と針葉樹、それぞれ様々な樹種が混生する尾根を登って行くとやがて広く緩やかな尾根になります。
この辺りは樅の木が多め。
先日登った三嶺を思い起こします。
ねじねじ、ネジキ。
ひときわ紅葉が鮮やかな木。
ハウチワカエデかな?
登山口から1時間30分で鎌倉山(950m)に到着。
眺望はなし。
ちょっと休憩して峰床山に向かいます。
鎌倉山の山頂の紅葉は終わっていましたが、林床には紅葉したウリハダカエデの幼木が一面に広がっていました。
こういう紅葉も面白いですね。
鎌倉山からしばらくはアップダウンを繰り返し、900m前後の小ピークをいくつも越えていきます。
その途中にあった千年杉。
かなり立派です。
ブナの紅葉。
いくつ目のピークを越えたあたりだったか、特に紅葉が素晴らしかったところ。
赤に橙に黄、とてもいい。
ところどころ、きれいな苔も見られます。
しかし、鎌倉山からは、落ち葉がすごくて、道が不明瞭。そして下りは滑ります。
紅葉に見とれつつも、足元とマーキングはしっかり確認しながら慎重に歩かなければなりません。
さらに、北から冷たい風が吹きつけ、けっこう寒かったので、途中でウインドシェルを着て、グローブも付けました。
もう、このくらいの山になると晩秋という感じなんですかね。
面白い顔をした朽木。
アップダウンを繰り返し、いくつものピークを越えていくと、鎌倉山と峰床山の間にあるオグロ坂峠に出ます。
この峠には南北に六尺道という古い街道のような道が続いていますが、昔は鯖街道の一つだったようです。
お地蔵さんが街道であるごとを物語っています。
オグロ坂峠から100mほど登り返して峰床山(969.9m)に到着。
坊村から3時間弱でした。
峰床山は近畿百名山。
皆子山(971.3m)に次ぐ、京都府第二の高峰だそうです。
京都ってけっこう山深いイメージがあるのですが、1,000m超える山がないのが意外。
鎌倉山からオグロ坂峠まで吹いていた風も、山頂ではなぜか微風。
よく晴れていたので暖かくてとても気持ちいい。
そして眺望も、西の方がよく開けていていい眺めでした。
でも、こちら方面の山はまったくわかりません。
似たような山がのぺっと並んでいる感じで、際立った特徴がある山がないような。
南側、大きな木の向こうに見えるのが皆子山。
それだけはわかりました。
その皆子山と比良山地の間に大津(堅田あたり?)もぼんやりと見えました。
東側には武奈ヶ岳や蓬莱山など比良山地の山々が見えるのかなと思ったら、こちらには木があって眺望が開けていません。
季節的に葉が落ちていたため、辛うじて樹間から武奈ヶ岳は見えましたが。
今日は武奈ヶ岳の方は賑わっていたのではないでしょうか。
こちらは、下山を開始するまでに出会ったのはわずか数人ととても静かな山歩きでした。
峰床山からはクラガリ谷を通って八丁平へ。
ここの紅葉、今日一できれいでした。
振り返っても。
いい色付きです。
八丁平近くまで下りてくると、見事なマユミの木がありました。
こんな大きなマユミの木を見たのははじめてです。
ピンク色の実が、遠めに見ると花が咲いているようでとてもきれいです。
周りにも何本かのマユミの木が並んでおり、なんだかこのあたりだけ春っぽい景色になっていました。
八丁平は植生保護のため湿原のそばまでは入れないようになっており、やや遠巻きに周回するような形になっていました。
しかし、湿原に流れ込む小川など、湿原の雰囲気は少し感じることができました。
八丁平の南側では少し高い位置から湿原がよく見えました。
この湿原、関西では珍しい高層湿原なのだそうです。
八丁平を半周したら、中村乗越を越えて、江賀谷に下ります。
中村乗越への登りも紅葉がきれいでした。
ですが、江賀谷への下り口が、明確な標識がなくてとても分かりづらく、紅葉に見とれて気分よく尾根を登っていたら少し行き過ぎて引き返すミスをしてしまいました。
中村乗越から江賀谷に出るまでは、薄暗い杉林を細いトレースでトラバース気味に下って行きます。
江賀谷に出ても、何度か渡渉を繰り返し、斜面をロープを伝ってトラバースするようなところもあり、最後は長い林道歩きと、正直、いい道ではありませんでした。
どうせならピストンより周回をと思ってこの道を選びましたが、八丁平からオグロ坂峠に戻って鎌倉山経由で下りた方、がよかったです。
江賀谷を下って葛川中のところに出た後は、国道を歩いて坊村に戻りました。
下山は2時間10分ほど。
トータルで休憩込み5時間45分の山行でした。
今日は日曜日で、坊村の駐車場のところでは日曜市が開かれていたので、生落花生などを買って帰りました。
登山口でこういう地のもの買えるのはうれしいですね。
今日は天候にも恵まれ、狙い通りの素晴らしい紅葉も見られて、いい山行になりました。