1月の寒波の時、見に行くタイミングを逸してしまった裏六甲の氷瀑。
数日前の冷え込みでまた凍っているという情報を得たので、七曲滝だけ見に行ってみました。
凍り具合は半分程度でしょうか。
でも、今シーズンはもう見れないかもと思っていたので、これでも十分です。
滝の向かって左側の幾重にも重なった段々の氷がきれいです。
この週末、気温がかなり高くなるということで、多分、今が今シーズンラストチャンス。
氷の芸術に癒されました。
有馬温泉から紅葉谷道を登り、七曲滝に寄り道にした後、さらに紅葉谷道を登ります。
極楽茶屋近くまで来るとなごり雪も。
降り積もった雪の上で日向ぼっこをする苔の胞子体がとてもかわいい。
極楽茶屋のブナ林も暖かい日の光に包まれとても気持ちいい。
極楽茶屋からは最高峰ではなく、ガーデンテラスの方へ。
途中のお気に入り展望ポイントからの景色。
今日はちょっと霞んでます。春っぽい眺め。
ガーデンテラスを経てさらに西進し、ビジターセンターのある記念碑台へ。
記念碑台に立つのはA.H.グルーム氏の像。
明治時代に娯楽地としての六甲山の開発を始めた人です。
今、私たちが六甲山で遊べるのは、グルームさんらの活動がきっかけになっていることは間違いなく、その功績には感謝しなければなりません。
ちなみに、山にある外国人の像と言えば、W.ウェストンが思い浮かびますが、ウェストンも宣教師として神戸に来日し、六甲山にも登ったそうです。
記念碑台にある東屋で昼食を摂っていると、近くの木にマヒワが止まりました。
この子は胸まで黄色いので♂ですね。顎ひげもあります。
マヒワは、六甲山上ではわりとよく見かける鳥ではあるんですが、いつも木の高いところに止まっていて、気づかないまま近づいて、散らせてしまうという、なかなかじっくり観察するのが難しい鳥です。
今日は、東屋の屋根と壁の隙間から見えた木の枝先に止まってくれたので、野鳥観察舎から見ているかのように、鳥に警戒心を持たれることなく、写真を撮ることができました。
ウソも見ることができました。
桜の花芽を一生懸命食べています。
強く鋭そうなくちばしで、付け根から花芽を嚙みちぎっています。
ただ、あまり長い時間、観察しなかったので、♀しかまともに撮れませんでした。
違う場所で喉元の赤い♂も見かけたんですが、枝かぶり甚だしく、証拠写真にもならないレベル。
でも、鳴き声をよく耳にしたので、じっくり探鳥する時間をとれば、写真を撮るのもそれほど難しくはなさそうです。
記念碑台からは、今日は、まだ歩いたことのないシュラインロードを下りよう(かな?)とぼんやり考えていたのですが、ビジターセンターの入口にシュラインロードの展示があり、見入っていたら、スタッフの方がパンフレットをくれました。
ということで、シュラインロードを下ることに決定。
記念碑台からノースロードを歩き、シュラインロードへ。
シュラインロードは、唐櫃道、行者道と呼ばれる六甲山の古道で、路傍には石の祠に守られた野仏がいくつも佇んでいます。
途中には行者堂もあり、
不動明王、役小角(役行者)、前鬼、後鬼の石像が祀られています。
シュラインロードは、行者堂の少し手前までは、別荘地などがあり、車も通れる道になっていますが、そこから下は、未舗装の登山道。
ただ、江戸時代から物流のための道として使われていたというだけあって、とても歩きやすい道です。
野仏は西国三十三所の観音様になぞらえて作られているそうですが、一部番外もあります。
こちらは、大日如来像だそうです。
さらに下ると、裏六甲ドライブウェイを横切りますが、シュラインロードを外れて、ドライブウェイ沿いを少し歩くと、九体仏があります。
これらの野仏は、もとからこのようにあるわけではなく、ドライブウェイの工事などのために元の場所から集団移転されたのだそうです。
九体仏のそばには、両皇太神宮の石碑があります。
もともとは、ここに神社があったのでしょうか。
ドライブウェイを横断してすぐのところには石鳥居がありました。
野仏、神社の跡、鳥居...
こうした六甲山の登山道には珍しい神仏に見守られるような道ゆえ、昔、六甲山を歩いた外国人たちがシュラインロードと呼びだしたそうです。
鳥居を過ぎると、あとは林道・車道歩きで神鉄有馬口駅へ。
おまけで有馬口駅近くで見かけたイソヒヨドリ♂。
今日も、有馬温泉まで車で来たので、有馬口駅から1駅電車に乗り、有馬温泉に戻りました。
有馬温泉の温泉街は、普段の土日には遠く及びませんが、そこそこの人出でした。
まだちょっと、温泉に浸かって帰る気分にはなれませんが、よく行くお店で、炭酸煎餅やら佃煮やらをちょっと多めに買って帰りました。
特に、ちょっとずつ気軽にいろいろ試せる、川上商店のカップ入りの佃煮はお気に入りです。
今日はノースロードやシュラインロードではまったく人に会わず、その他でも七曲滝周辺を除けば、人は少なく、静かな山を楽しめました。
もうしばらくは、メジャールートを避けたり、時間をずらしたり、休日を避けたり、交通手段も混雑を避けたり、いろいろ考えながら山に行く日々が続きそうですが、逆に、新たな道を開拓するいい機会でもあるのかなとも思います。
六甲だけでも、まだ歩いたことのない道はたくさんありますから。