このところの寒波で、関西の雪や霧氷で人気の山々も早くも冬山シーズンインしているようなので、高見山に登ってきました。
この日は午後から天気がよくなる予報だったので、8時頃に家を出て、10時頃に登山口のたかすみ温泉に到着。
10時半頃登山を開始しました。
登山口の辺りはまったく雪の気配はなく、よく整備された歩きやすい道を登って行きます。
高見杉。
周りの植林の杉を支配しているような圧倒的な存在感です。
このあたりからうっすらと雪化粧。
杉谷平野分岐。
ここでチェーンスパイクを装着。
標高1,000mあたりまでくると、少しずつ霧氷が現れはじめました。
背の低い落葉広葉樹の枝にびっしりと付いた霧氷。
立派に育っています。
山頂へと続く稜線にはいくつかの謂れのある岩がありました。
こちらは国見岩。
こちらは揺岩。
ほかに息子岩や笛吹岩など。
雪景色の中では、ちょっとよくわからんですが。
うっすらとガスに覆われ、時折粉雪が舞う稜線は、凍てついた世界。
立派なエビのしっぽ。
アツアツのエビフライ食べたい...
一瞬青空。
稜線では時折爆風が吹き、そのたびに木から剥がれ落ちた霧氷が飛んできます。
それがバラバラバラバラと顔に当たると痛くて痛くて...
足元を見ると、こんな風に雪の上に霧氷の破片が無数に散らばっています。
山頂目前に現れた特大エビフライ。
霧氷もここまで育つと芸術作品ですね。
山頂避難小屋。
上部は展望台になっています。
そして、日本三百名山高見山山頂(1248m)に到着。
登山口から2時間で到着しました。
山頂にあるのは高角神社。
瀬織津姫命と八咫烏を祀るそうです。
高角神社の上に伸びるポール(避雷針?)にもエビの尻尾が。
高見山の三角点は高角神社の裏にありました。
あんまりやらない三角点タッチ。
今回、初めてチェーンスパイクというものを使いましたが、着けている感じがほとんどなく、快適でした。
着脱も簡単だし、コンパクトに収納できるし、この日の積雪は10~20cm程度でしたが、これくらいの積雪量だとこれで十分ですね。
山頂を踏んだ後は、晴れることを期待しつつ、避難小屋でラーメンと食後のコーヒーをいただきました。
避難小屋内にあった温度計はー3℃。
寒いっちゃ寒いですが、寒すぎることはなく、霧氷を見るにはちょうどいい気温です。
山頂に着いて40分後、一瞬上空が晴れました。
その時に撮った高角神社。
おっと、晴れたらポールのエビの尻尾が飛んでしまいましたね。
それにしても、なんと空の青いことでしょう。
青空が一番きれいに見える(撮れる?)のは、晴天の雪山だと思います。
上空が晴れたのはほんの一時でしたが、その後、次第に周囲のガスがとれ、他の山々が見えるようになりました。
こちらは高見山から大台ケ原へと伸びる台高山脈と大峰山脈方面。
こちらは曽爾村など北側の景色。
兜岳、鎧岳などが見えます。
西側、登って来た稜線と、その向こうには金剛山や葛城山など。
もっとスカッと晴れないかと、山頂で1時間半ほど粘っていましたが、上空の黒い雲がなかなか取れなかったので、14時前に諦めて下山開始。
霧氷はエビの尻尾ばっかりではなく、きれいに衣をつけたようなものもあります。
強烈な季節風が当たるか当たらないかっていうことなんですかねぇ。
行きに見た最大級のエビの尻尾を、日が当たっていたので撮り直し。
少し、飛ばされて痩せたかな?
この寒さで、雪質は終始良好。
適度な厚みのふかふかのパウダースノーは歩いていて実に心地よかったです。
後方に青空が覗いていたので、時々振り返りつつ。
青空と光り輝く霧氷。
ほんと美しい。
スキーで何度も見ている景色なので、これまでは霧氷を見るための山登りというものにあまり魅力を感じていなかったのですが、歩いて登って見る霧氷はまた一味違いますね。
その魅力がちょっとわかったような気がします。
下山途中、樹間から覗き見る高見山山頂。
おお、めっちゃ晴れたじゃないですか。雲はどこへ行った?
この時時刻は15時過ぎ。
1年で最も日の短いこの時期、この時間まで山頂には居てられないからこれは仕方ないですね。
15時20分頃、下山。
下山後はたかすみ温泉に入って汗を流して温もって帰りました。
平日、下山時刻ちょっと遅めということで、温泉はほぼ貸し切り。
登山中に出会った人も20人もいなかったかな?
平日マイカー登山はいいですね。
来年もニューノーマルとして積極的に取り入れていこうと思います。
登山口からも登山中も、山の形をきれいに見れなかった高見山ですが、帰り道、振り返って見るときれいに見えました。
高見山は東西方向から見ると、このようなきれいな円錐形に見え、その山容から関西のマッターホルンと呼ばれるそうです。
標高1248mと決して高峰とは言えない山にもかかわらず、あれだけ見事な霧氷が見られるのは、北西からの強い季節風が奈良盆地を抜けて最初にぶち当たる大きな壁だからなんでしょうね。
常にそうではないのかもしれませんが登山口までの道中は雪の心配が一切なく、歩きやすい登山道、ほどほどの標高差、山の上の方だけ銀世界というのは、本格的な雪山をやらない人にとっては実に都合がいい。
ハイシーズンの休日には榛原駅から霧氷バスも運行されているし、それ故に人気があるのかなと思いました。
今回は、まだ12月にもかかわらず、非常に良いコンディションの霧氷が見れてとてもよかったです。