昨秋、熊野古道中辺路の滝尻王子から熊野本宮大社までを歩きましたが、中辺路はそれで終わりではありません。
熊野本宮大社から熊野速玉大社、熊野那智大社を巡り、再び熊野本宮大社に戻ってくる。
その道程も含めての中辺路です。
ということで、暖かくなってきたし、天気もよさそうだし、まだ行きたいと思っているうちに行ってしまえと、この飛び石連休を利用して行ってきました。
今回はマイカーで、夜が明ける前に自宅を出発し、高速で田辺まで行き、国道311号線で道の駅「熊野古道中辺路」へ。
まずは、そこから少し歩いて、前回日没のためパスした箸折峠にある牛馬童子像に会いに行きました。
牛と馬に跨ったこの童子像は、ここに御経を埋めた花山法皇の旅姿を表しているとも言われているそうです。
(隣の石仏は役行者の像だそうです)
中辺路のアイドル的な人気のこの像はやはり見とかないと...という心残りがあったというのも嘘ではありませんが、
実質的な目的は熊野古道中辺路押印帳の穴埋めです。
牛馬童子像を見た後は、熊野本宮大社前にある熊野本宮館へ行き、前回、迂回路が設定されていて行けなかった猪鼻王子のスタンプも押していただきました。
これで、滝尻王子から熊野本宮大社までの18個のスタンプはコンプリート。
スタンプは全36個あり、今回は残り18個を埋めることを目指します。
まずは、熊野本宮館に車を止め、すぐ近くにある大鳥居が目印の大斎原へ。
熊野川の中州にあるこの地はかつて熊野本宮大社のあった旧社地です。
森の中に入って行くと、何もない広い空間が現れます。
かつてはここに社殿が立ち並んでいたそうですが、明治22年に熊野川の洪水で多くの社殿が倒壊したそうです。
倒壊を免れた上四社は北西の丘の上に移され、それが現在の熊野本宮大社となっています。
そして、倒壊した中社、下社、摂末社の神々はこちらの2つの石祠に仮に祀られているそうです。
ここにおられる神々も、いつかまた再び立派な社殿に祀られる日が来るのでしょうか。
大斎原を参った後は、すぐ近くにある大日越登り口から中辺路(大日越)を経て、湯の峰温泉へ。
歩行距離、2.2km、標準歩行時間55分の道程です。
距離は短いですが、途中には月見ヶ丘神社や、
鼻欠地蔵、
「南無阿弥陀仏」の六字名号碑などがあります。
スミレも咲いてました。
赤味が強くて、葉が少し長いので、シハイスミレでしょうか。
50分ほど歩くと、湯峯王子に到着。
19個目のスタンプをゲット。
そして、湯の峰温泉に下りてきます。
大日越は熊野本宮大社から湯の峰温泉まで歩いても1時間強と非常に短いコースですが、熊野古道の雰囲気も十分に味わえますし、着いた先に温泉というお楽しみもありますし、バスで楽々戻ってこれますから、手軽に熊野古道の雰囲気を味わいたいという方にはおすすめのコースかと思います。
湯の峰温泉といえば、このつぼ湯と、
湯筒。
湯筒には約90℃のお湯が勢いよく湧き出しており、玉子や芋などを漬けて調理することができます。
本宮大社へ戻るバスの時刻まで30分くらいあったので、私も目の前のお店で売っている生玉子を買ってきて漬けてみました。
生玉子は5個で150円と意外に良心的な価格。
ぶら下げる紐付きのネット入りで、塩も殻入れも付けてくれますので、気軽に楽しめます。
湯筒に漬けて、待つこと13分で茹で上がり。
とりあえず、出来立てを1個だけ味見。
ちょうどいい茹で加減で、ほのかに温泉の香りがしておいしいですね。
あとは旅の合間にいただくことにします。
湯の峰温泉から本宮大社までバスで戻り、今度は車で新宮方面へ移動。
途中、熊野川沿いにある道の駅「瀞峡街道熊野川」に寄って、スタンプをゲット。
その昔、熊野本宮大社を詣でた人々は、次に船で熊野川を下り、熊野速玉大社を目指したそうです。
今は車やバスで向かうのが普通ですが、この道の駅からは熊野川舟下り(要予約)の船も出ていて、かつての参詣を体験できるそうです。
こちらには「かあちゃんの店」という地域の物産店もありましたので、軽いお昼ごはんに「めはりずし」を買いました。
めはりずしも、お店によってけっこう味が違ったりするのですが、ここのは高菜の漬かり具合が好みでおいしかったです。
(4)へつづく...