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応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)
972円
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時々、なかなか読み進まない本というものに出会います。
さらに、ごくまれに読書欲自体を減退させてしまう本に出会うこともあります。
これもそんな本でした。
日本史上、もっとも有名な戦乱の一つである応仁の乱。
京都を中心に11年も続き、歴史の大きな転換点にもなった戦乱であると言われますが、なぜ起こったのか、なぜ11年も続いたのか、誰が勝ったのか、何をもたらしたのか...とにかくよくわからない戦乱でもあります。
ということで、読んでみようと思ったわけですが、結局読んでもよくわかりませんでした。
ついつい、東軍 細川 VS 西軍 山名という単純な対立の構図として片づけてしまいたくなる応仁の乱ですが、そうではなく、そもそもは畠山の家督争いが発端であり、そこに山名が介入したことで、細川 と山名の関係が悪化し、それぞれの陣営に諸大名が参集したことで、二極対立の構図が鮮明になってきたという経緯があり、両陣営とも諸大名の目的・思惑がばらばらで一枚岩ではなかったため、なかなか収拾がつかなくなり、ずるずると長引いてしまった...というようなことは理解できました。
ただ、そこを掘り下げていけばいくほど、ごちゃごちゃとしていてよくわかりませんし、退屈でもあります。
盟主として担ぎ上げられた細川勝元なり、山名宗全なり、将軍家なり、あるいは他の誰でもいいですが、傑出した英雄でも現れればまた違った結末になっていたかもしれませんし、そのほうが私たちもこの大乱に興味を持てたでしょう。
ただ、私たちは歴史を物語的に捉え、英雄や才人の登場に心を動かされますが、ありのままの歴史はそういうものばかりではないし、そういううまくいかなかった歴史というのも、何かしらもたらしてくれるものだと思います。
こういう一般的に人気のないテーマに真剣に向かい合い、そこから何かを学び取ろうとし、それをこうして広く一般に伝えようとする研究者の努力には頭が下がります。