京都国立博物館で開かれている「特別展 池大雅」を観に行ってきました。
伊藤若冲や円山応挙と同じ時代に京の画壇で活躍した画家で、与謝蕪村とともに「南画の大成者」として並び称される池大雅。
85年ぶりの大回顧展ということで、国宝、重要文化財を含め、初期から晩年までの代表作、百数十点が一堂に会する、大充実の展覧会です。
一点、二点の作品は見たことはあっても、これだけの作品を一度に見るのは初めて。
正直、こういう中国風の絵は、あまり好きではないのですが、それでも、いいなと思える絵がいくつもありました。
全体的に、伸びやかな線、柔らかな色づかい、ほがらかに描かれた人物、観る者の視線を自然に導く構図などが印象的で、また、池大雅はよく旅に出て、風景などを描いたそうですが、特に各地の名山に登って描いた風景や、その旅の記録などが非常に興味深く、食い入るように観てしまいました。
そして、池大雅は画家としてだけではなく、書の方でも7歳の頃に神童と称されたほどの才能があったそうで、書と画を融合させた作品も多数展示されていましたが、絵と書それぞれが素晴らしいうえに、それらを組み合わせた時のバランスがとてもよく、デザインセンスの良さも感じました。
今回最も気に入った絵2点。
「浅間山真景図」と「漁楽図」。
「漁楽図」のクリアファイルはよく見ると、京博の公式キャラクター「とらりん」が何匹か絵の世界に入り込んで遊んでいます。
おもしろいアイデアですね。
池大雅を観た後は、細見美術館で開かれていた「琳派展20 抱一の花、其一の鳥」をハシゴ。
琳派や若冲のコレクションが充実した美術館ということで前から気にはなっていたのですが、初めて入りました。
しかし、池大雅展とさほど変わらない入館料なのに展示作品数は1/3ほど。
抱一、其一の作品の割合も少なく、拍子抜けしました。
また、展示室もなんだか落ち着かない感じで、美術を観賞する環境としても、もうひとつ。
ここは、よっぽど観たい作品でもない限りは、もう来ないかな...