トムラウシ山頂からの下山は花の写真を撮りながら。
山頂で風を避けるために岩陰で休んでいると、目の前の岩にイワヒゲがびっしり。
エゾイワツメグサ。
本州の高山帯で見られるイワツメグサと似ていますが、これは北海道固有種で大雪山系のみで見られる希少種なんだそうです。
イワツメグサもエゾイワツメグサも、小さくて地味な花ですが、とても好きです。
コケモモ。
イソツツジ。
毎度おなじみ、タルマイソウ(イワブクロ)と、
マルバシモツケ。
イワイチョウ。
メアカンキンバイ。
気高き女王コマクサは、他の花とは群れたがらないのですね。
イワウメ。
トムラウシの一番のお気に入りはやっぱりここですかね。
エゾコザクラとミヤマキンバイの競演。
チングルマやハクサンイチゲの白いお花畑もいいですが、黄色とピンクというカラフルな組み合わせでかつ密度の濃いお花畑は、自然のお花畑ではなかなかないんじゃないでしょうか。
トムラウシ公園を見下ろす岩礫帯。
一息入れていると、遠くの岩の上に鳥が止まりました。
特徴的な喉元の赤。
北海道で見られる夏鳥、ノゴマ♂ですね。
鳥はこちらから追い掛け回すより、待っているところに来たのを撮る方が撮りやすいですね。
チシマキンレイカ(タカネオミナエシ)。
相変わらず、全くすっきりしない空模様。
前トム平辺りまで来ると、急ぐ必要もないのに、もう早く下りたくてしかたなくなってきました。
エゾヒメクワガタ。
チシマギキョウの群落。
コマドリ沢分岐の近くでは、サンカヨウ、
カラマツソウなどが咲いていました。
前日に登った富良野岳ですでに見た花も多く、花探しも写真も雑になり、見逃し、撮り忘れ多数。
アップした写真の花以外にも、エゾノハクサンイチゲ、トカチフウロ、エゾツツジ、ウコンウツギなどの花が咲いていました。
下山は山頂から4時間15分。14時45分に短縮コース登山口に到着しました。
登る前は若干の不安もあったのですが、思っていた以上に快調に歩けました。
しかし、登ってはみたものの、ガスで遠くの景色がほとんど見えず、結局トムラウシ山がどんな形をしているのか、周囲の山々とどういう位置関係にあり、どういう景色が望めるのかということは、わからずじまい。
さすが、大雪の奥座敷と呼ばれるだけあって、安易に全容を見せてはくれませんね。
帰りは、東大雪荘に立ち寄り、泥だらけになった靴やスパッツを洗い、温泉に入浴し、バッジを購入。
長い長い未舗装の道を走ってたどり着くような山奥の一軒宿ですが、宿の周りはばっちり舗装され、建物も設備も近代的で、温泉もとてもきれいで、勝手に想像していた山の宿のイメージとのギャップに驚きました。
こんな宿があるのなら、安心して登山に臨めそうですね。