苫小牧のマルトマ食堂で行列に並んでいる間、次にどこに行こうかと思案して、候補に浮上したのは帯広の南、中札内村にある中札内美術村と六花の森。
ともに六花亭が手掛ける施設で、天気が悪くても楽しめるアート系の施設です。
とはいえ、到着したのは16時頃。
時間的にどちらかしか行けそうになかったので、中札内美術村に行くことにしました。
雨が降っていたので、駐車場には貸し傘が置かれていました。
さすが六花亭ですね。柄の部分に包装紙でお馴染みの坂本直行さんの花の絵がプリントされています。
かわいらしい傘ですが、決して持ち帰らないように。
中札内美術村には、無料の美術館と有料の美術館、そして屋外作品が点在しています。
こちらは無料の北の大地美術館。
様々な企画展が行われているようで、この日は「二十歳の輪郭」、「還暦の自画像」という世代の異なる自画像を合わせて展示する企画展が行われていました。
いやぁ、自画像一つで無限の表現があるのですね。
たかが自画像、されど自画像。
自画像は、描き手の感性が最もよく表れる題材なのかもしれませんね。
森を丸ごと取り込むかのような大きな窓もとても印象的な空間でした。
こちらは小泉淳作美術館(有料)
奈良の東大寺の蓮の襖絵、鎌倉の建長寺や京都の建仁寺の龍の天井画などを手掛けられた方で、様々な作品がありますが、生命感溢れる野菜の絵の力強さが印象的でした。
こちらは相原求美術館(有料)
北の十名山の絵を中心に、主に北海道の山や大地の絵が展示されています。
山好きにおすすめの美術館です。
まだ山には雪が残り、木々の緑が芽吹く前の色の乏しい絵が多かったのですが、華やかさがない反面、重厚で力強い印象を受けました。
ちなみに、中札内美術村のチケットはこんな感じです。
小泉淳作美術館と相原求一郎美術館の共通券で800円。
チケットはポストカードとして使えるようになっており、ミニクリアファイルもついてきます。
こちらはこの春オープンしたという美術村庭園。
緑のトンネルがとても心地よいです。
庭園を抜けると古民家を改装した真野正美作品館があります。
坂本直行さんの後を受け継ぎ、児童詩誌『サイロ』の表紙絵を手掛けられている作家さんです。
山田洋二監督の「幸福の黄色いハンカチ」や「遥かなる山の呼び声」などに出てきそうな、懐かしい北海道の農村や町の情景を、季節感を織り交ぜ、鮮やかな色づかいで描いた作品は、見ているととても温かな気持ちになります。
中札内美術村にはほかにも「ギャラリー柏林」、「小川游作品館」、ショップやレストランなどもありましたが、ここで時間切れ。
あいにくのお天気でわずかな時間でもありましたが、北海道らしい空間と作品を味わえてなかなかよかったです。