ライアン・ガンダー展 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

国立国際美術館で開催中のライアン・ガンダー展を観に行ってきました。

 

 

 

この展覧会はフラッシュを焚かなければ写真撮影OKだとのこと。

 

最近、そういう美術館、展覧会も少しずつ増えてきましたね。

 

 

 

美術館や展覧会のコンセプトや展示内容、混雑具合などによっては一概にいいこととは言えませんが、こういう現代アートの場合は、オープンにしていくほうがいいように思います。

 

 

 

しかし、そうと知っていれば、デジカメを持ってきたのに...油断していました...という作品(笑)

 

デジカメならもう少しアートをアートっぽく撮れたかもしれませんが、不慣れなスマホのカメラで雰囲気だけでもと思い、いろいろ撮ってみました。

 

 

 

ガンターの作品は非常に幅広く、発想もさまざま。

 

こちらは、エドガー・ドガの絵画に登場する踊り子をイメージした像。

 

ブロンズ像といえば大体は(後ろの白いオブジェのような)台座に乗せられているものですが、降ろしてみたらどうなんだろうという発想で、目の前にある青いキューブは現代美術を象徴しているのだとか。
 
で、そもそも軽やかに踊る私が、黒く硬く重いブロンズってどういうこと?
 
思索する踊り子を見て思索する私...ふーむ。
 
 

 

何かに布が掛けられているようですが、さて、なんなんでしょう...ふふ。

 
とにかく、あらゆる作品を通じて、思索せよ、想像せよ、と投げかけられます。
 
 
 
こちらは、絵を描いた後のパレットに着目した”ポートレート・シリーズ”の作品。
 
完成した絵画を鑑賞するのではなく、その時に使ったパレットから、描いた絵を、描き手を想像するのだとか。
 
いやいや、深すぎませんか。遠すぎませんか。
 
でも、確かに絵とパレットと描き手はつながっているんですよね...ならばたどり着けるはず???
 
 

 

作品タイトルもまた面白い。

 
これは諸葛孔明の十万本の矢の逸話なんかを連想させるような印象的な作品ですが、そのタイトルは、
 
”ひゅん、ひゅん、ひゅうん、ひゅっ、ひゅうううん あるいは同時代的行為の発生の現代的表象と、斜線の動的様相についてのテオとピエトによる論争の物質的理解と、映画の100シーンのためのクロマキー合成の思索の3つの間に”
 
間違っていたらごめんなさい。
 
 

 

映像作品や動きのある作品もあります。

 

こちらは、単純にコミカルで面白い作品。

 

 

 

お、起きた。

 

 

 

ん、ちょっと不機嫌そう?

 
 

 

こちらは、窓の向こう側に左から右へ次々と作品(モノ?)が流れてくる作品。

 

正面に椅子が置いてあって、そこに座れば、自分が観て回らなくても、作品が回ってきてくれるという逆転の発想。
 

ただ、一体何点あるんでしょう? 10分くらい観ていましたが、同じ作品は出てきませんでした。

 

 

 

動きはありませんが、毎日、日めくりで変わる作品。そのヒストリーも。

 

 

 

大きな作品や目線の高さに並ぶ作品だけでなく、様々な小技も仕掛けてきます。

 

あんな高いところにもぽつんと作品が...と、これはわかりやすいですが、

 

 

 

展示室の隅々に見過ごしてしまいそうな作品が多数あります。

 

 

 

誰やねん、こんなとこに紙屑捨てたのは...

 

ほんと、油断ならない人です。

 

が、宝探しのようでこれもまた楽しい。

 

 

 

作品を観て回っていると、時々、静かに歩いてくるこの子は、ARATAちゃんというそうです。

 
アートで"ARATA"というと井浦新さんを思い浮かべてしまいますが、違いますよね。
 
このARATAちゃんはガンダーと太宰府天満宮が展開するプロジェクトのキャラクターだそうです。
 
ペンキ缶を持って、世界を白く塗り直して一新しようとしているらしいです。
 
 

 

行っちゃったと思ったら、おやおや、あんなあところからこっちを覗いてるじゃないですか。

 

わかってますねぇ。

 

 

この展覧会、正直、よく知らないでなんとなく面白そうだなという軽い気持ちで観に来たのですが、想像以上に面白い展覧会でした。

 

何と言ったらいいのかよくわかりませんが、斬新なんだけども、クレイジーではないところがすごい。

 

きっと、とてつもなく頭がいい人なんだと思います。

 

作品だけでなく、作品を取り巻くあらゆることに深い洞察があり、その表現は非常に示唆に富んでおり、観る者の思考や想像力を活性化させ、大きく広げてくれます。

 

同時に開かれている「ライアン・ガンダーによる所蔵作品展」も、類似する2つの作品を対比して見せるという手法が面白かったです。

 

今回は京博パスポートのおかげで、団体料金600円で観れましたが、通常料金でも900円。

 

しかし、脳が受けた刺激は、下手すれば1,500円くらいするのが当たり前な大規模な特別展以上かもしれません。