霧ヶ峰の車山周辺を散策した後、まだお昼過ぎだったのでどうしようかと思案していると、思いのほか晴れてきて、午前中は雲の笠をかぶっていた蓼科山の姿がはっきり見えるようになってきたので、登ることにしました。
白樺湖の向こうに広大な裾野を広げる円錐形の美しい山容の蓼科山は諏訪富士とも呼ばれます。
こういう山を見ると、登りたくなります。
蓼科山へは最短ルートとなる白樺高原のスキー場の上、七合目登山口から登ることにしました。
ここからなら、標高差600mで、標準コースタイムが往復3時間45分ですので、午後からの登山でも日が暮れてしまうことはなさそうです。
余計な装備を持たず荷物を軽くすれば、おそらく3時間で往復できるはず。
ささっと準備して、登山開始です。
樹林帯の中のなだらかな上り坂を10分ほど歩くと、馬返しに到着。
ここから先は急坂で馬が登れずに引き返すことから”馬返し”と呼ばれるそうですが、実際に急坂になるのはもう少し先です。
このあたりの道沿いは苔がとてもきれいです。
急登がはじまりました。
ザレ場の急登です。
砂礫や軽い石が多く、滑りやすいので、特に下りは要注意です。
一旦、ザレ場が切れ、天狗の露地というところに出ますが、少し進むとまたザレ場の急登が続きます。
急登を登り切ると、蓼科山荘に到着。ここは、各方面からの登山道が集まる四つ辻になっており、四方から登山者がやってきては休んでいきます。
ここで少し休憩し、山バッジを購入して、山頂へ。
蓼科山荘から山頂まではまた急登です。
今度は岩がゴロゴロと積み重なった道です。
時折、手も使いながら這い登って行きます。
夢中になって這い登っていると、いつのまにか山頂にある蓼科山頂ヒュッテに到着。
そこから、さらにゴロゴロとした岩の道を進むと、蓼科山(2531m)の山頂の三角点に到着。
七合目登山口からここまで約1時間30分でした。
三角点の辺りからは、八ヶ岳が見えました。
ここ蓼科山も八ヶ岳の北のはずれの一座に数えられるそうですが、そう思ってここから眺めるとかなり広大な山域であることが実感できます。
八ヶ岳は人気の山のようですが、関西人の私にとっては馴染みがないので、どこが魅力なのかあまりピンときません。
一度登ってみないといけませんね。
三角点から山頂の中心部に進むと、蓼科神社の奥宮がありました。
さらに反対側の縁に進むと方位盤があり、そこからは白樺湖や車山が見えました。
それにしても広い山頂です。ゴロゴロとした岩ばかりが平らに広がる岩の海です。
午後も遅い時間で、山頂には私の外誰もいないこともあって、少々孤独に感じてきたので、20分ほど過ごして下山。
岩場の急登をホイホイとリズム良く下り、ザレ場の急登は小股で滑らないよう慎重に下り、ほとんど休憩なしで1時間弱で七合目登山口に戻れました。
遠望した山容の美しさと、実際登ってみて間近で見た苔むす鬱蒼とした樹林帯、ザレ場、岩場の急登、山頂の岩の海。
勝手な思い込みですが、すごくギャップを感じた山でした。
午前中に登った霧ヶ峰(車山)とも対照的でしたね。