
奈良国立博物館 で毎年開かれている「正倉院展 」。
昔から正直あまり興味はなかったのですが、春に購入した「京博パスポート 」があれば、タダで観れるので、一回くらいどんなものか観てみようと行ってみました。
この正倉院展、毎年、正倉院に収蔵されている宝物の中から数十点を選んで展示するそうですが、その母数があまりにも多いため、一度出展されると10年以上観られないというのが普通のようで、そのため、毎年、熱心に通われるファンも多いのだとか。
この日もかなりの人出でした。
展示品の中には箸とか匙とか針とか、なんてこともないようなものも多いのですが、手の込んだ細工が施されたものを見ると、1200年とか1300年前にこんなものが作れたのかと驚かされます。
今回の展示品であれば、どこぞの高級ブランドのバッグのような模様が刻まれた「紫檀木画槽琵琶」や、華やかな花の模様が鮮やかな「平螺鈿背八角鏡」、あとは蘇芳地金銀絵箱、紫檀木画箱、琥碧魚形、筆、紅牙撥鏤尺あたりが印象深かったです。
ただ、毎年観に来たいかと言われれば、やっぱりそこまで興味は持てないですかねぇ。
次、また来るとすれば、今回のようにパスポートを購入した時か、何か特別に興味をそそられるものが出てくればということになりそうです。

奈良公園にはこの日もたくさんの鹿がいました。
これだけたくさんいると、たまに奇妙な行動をとる鹿を目にすることもあるのですが、この日出会ったこの子は、松の木の窪みを舐めたり、顔をこすりつけたりするのに夢中の様子。
角のある鹿は樹皮に角をこすりつけて角研ぎをするらしいですが、この子にはまだ角はありません。
角がないうちから習性が先に現れるのでしょうか...

大混雑の正倉院展を観た後は、お腹が空いたので、前から気になっていた春日大社の参道脇にある春日荷茶屋 に万葉粥を食べに行きました。

これがその万葉粥。
季節に合わせて毎月粥の中身が変わるそうですが、11月はきのこ粥。
ほんのりと白味噌が香る優しい味わいのお粥でした。
万葉の雅を感じます。

万葉粥をいただいた後は、若草山の麓、二月堂の前を通り、昨年約100年ぶりの大修理を終えたばかりという正倉院 を見学に。
と言っても、遠目に眺めることができるだけですが、1200年以上も宝物を守り抜いてきたというだけあって、やはり立派ですね。
この正倉院、普段は平日のみこのように外構を公開しているのですが、正倉院展期間中は土日も公開しているそうです。
正倉院展を観るなら、こちらも併せて見学しておきたいですよね。

正倉院を出ると、目の前に大仏殿。そしてその手前には黄色く色付いた銀杏の木に赤く色づいた木々。
奈良公園もそろそろ紅葉の季節ですね。

帰りに国立博物館の向かいにある天平庵 で買った大和三山という名の三笠(どら焼き)。
包装に「北海道産新小豆使用」と書かれていますが、これは新小豆が出回るこの時期限定なのだとか。

中身を取り出してみると北海道型の焼き印。
割ってみるとつやつやのつぶ餡。
皮はやや弾力のあるフワフワ系。
新小豆だからなんでしょうか、餡のおいしさが際立つ美味しさでした。
11月に奈良を訪れるならおすすめのお土産です。