大雪山の紅葉、2日目は大雪高原温泉沼めぐり登山コース。
大雪山の高根ヶ原の断崖の下、大雪高原温泉周辺に点在する沼々を巡る約7kmの周回コースです。
大雪高原温泉は、銀泉台と同様、紅葉シーズンは車両通行規制が行われており、一般車両は入ることができません。
そのかわりに大雪湖畔に大雪レイクサイト臨時駐車場が設けられており、そこから大雪高原温泉行き、銀泉台行きのシャトルバスに乗り換えるシステムになっています。
この日も大雪高原温泉へ行く人、銀泉台に行く人と、早朝からとても混雑していました。
大雪高原温泉にはバスに揺られて約25分で到着。
ここには大雪高原温泉山荘という一軒宿がありますが、そのすぐそばに「ヒグマ情報センター」というビジターセンターのような建物があります。
沼めぐり登山コースに入るには、まず、入山届に記入し、ここでコース内での行動や注意事項についてレクチャーを受ける必要があります。
というか、この建物の中を通らなくてはコースに入れないようになっています。
ヒグマが多い地域というだけに徹底しています。
レクチャーを受け終るといよいよコース内へ。
30分ほど歩くと沼めぐりの周回コースの分岐点に到着。
時計回りに回るよう言われてきましたので、ここは左の道に進みます。
間違わないようにか、右の道には立ち入り禁止のロープが張ってあります。
ここまでされると、否が応にも緊迫感が増してきます。
しばらく進むと、いよいよ沼々とそれを取り巻く紅葉が姿を現し始めます。
のっけからいい雰囲気です。
水面にきれいに紅葉を映すのは滝見沼。
水鏡の紅葉はここが最もきれいでした。
沼めぐり登山コースでは、食べ物を食べていい場所が、緑沼、大学沼、高原沼の3ヶ所に制限されています。
その1つ、緑沼。
歩き始めて大体1時間ほど。ちょうどいい休憩スポットですので、多くの方が沼を眺めながら休憩されていました。
ただ、この紅葉は光の関係で午後の方がきれいそうです。
エゾ沼。
ずっと曇っていたのですが、このあたりからは時々日が差すようになってきました。
ひときわ紅葉の美しかった式部沼。
最初は陰っていて、写真に撮ってもごらんのとおり、沈んだ感じだったのですが、
しばらく待っていると、ぱっと日が差し、紅葉が鮮やかに光り輝きました。
光が当たる当たらないで、これだけ発色が違います。
光を待った甲斐がありました。
こういう天気の日にはここぞという場所では辛抱強く光を待ってみるべきですね。
アップダウンはあるものの全体的にはそう大きな標高差は感じないこのコースですが、それでもここまで徐々に標高が上がってきて、大学沼を過ぎたあたりから最も標高の高いエリアに入っていきます。
このあたりで1500m前後、目の前にそびえる高根ヶ原の断崖の上は1700mくらいのようです。
ほとりに立つとそれほどでもなかった大学沼は、上から見るとすごくきれいでした。
そして、高原沼。
こちらも式部沼に負けず劣らずきれいでした。
背後にそびえるのは緑岳。
大雪高原温泉からは緑岳への登山コースもあり、こちらも人気のようです。
この時期なら、シャトルバスを活用して、大雪高原温泉から緑岳を経て赤岳(銀泉台)へと縦走するのもよさそうです。
高原沼を超えると高根ヶ原の方を見据えてヒグマを監視されている方がおられました。
また、その先には三笠新道という高根ヶ原へ登る登山道との分岐点があるのですが、この三笠新道はヒグマの出没のために通行禁止となっており、間違って入っていかないようここにも案内の係の人が立っておられました。
油断しきってはいけませんが、こうした方々がおられると少し安心します。ありがたいですね。
三笠分岐を越えると間もなく水がなく草原が広がる空沼に到着。
ところどころにエゾリンドウが咲いていました。
沼めぐりは空沼が最後。
ここから先は道もあまりよくなく、特にこれといった見どころもありませんでした。
ヒグマの出没状況によっては、通行禁止にすらなることもあるようですし、一周にこだわらず、空沼か高原沼から引き返してもよいかもしれません。
この大雪高原温泉沼めぐり登山コースの標準的なコースタイムは4時間ということですが、ゆっくり写真を撮ったりしながら回ったため、8時入山、13時下山と5時間かかりました。
入山時刻は7時から13時まで、下山時刻は15時までと入山できる時刻も厳しく制限されているため、体力や混雑状況に応じて余裕をもった行動が必要です。
また、写真では全くわかりませんが、道がぬかるんでいるところが多く、足元が泥んこになること必至です。
遊歩道感覚で来られるのか、普通のスニーカーなどで歩いている方も多くいらっしゃいましたが、登山靴にスパッツ装着か、グリップのきく長靴を履いたほうがいいと思います。
あと、熊除けの鈴...
ほとんどの方がリュックにつけて歩いていましたが、このシーズンは人が多く、行列をなして歩いているとチリンチリン、カランカランとかなり耳に痛いです。
人がたくさんいるところでは外すなど、TPOに応じてON/OFFを切り替える臨機応変さを求めたいところです...
ということで、紅葉真っ盛りの沼めぐりを堪能したわけですが、今度また来ることがあれば、緑岳に登ってみたいですね。