(1)の続き...
少し長めの休憩をとり、11時40分、白雲岳を出発。
コースタイム的には大体このあたりが中間点になるので、12時出発を目途にしていたのですが、順調です。
白雲岳からは一旦白雲岳分岐に戻り、そこから残雪(万年雪?)の残る渓谷を越えて北海岳へと向かいます。
このあたりの岩場では、耳を澄ませるとあちこちでナキウサギの声が聞こえます。
しばらく息をひそめて声のする方をじっと見ていると、一瞬、岩の上に姿を現しました。
少し遠かったのですが、急いでカメラを向け、ややピンボケながら辛うじてその姿を1枚写真に収めることができました。
愛らしいですが、岩のてっぺんで遠くを見据えて鳴く姿は凛々しくもありますね。
北海岳の斜面は草原になっています。
紅葉しているのは夏に白い花を咲かせるチングルマの葉。
その花の痕は綿毛になって風にそよいでいます。
それにしてもこの数。
夏はものすごいお花畑になっているのでしょうね。
北海岳山頂。
御鉢平の向こうに見える山々は左から凌雲岳、桂月岳、黒岳。
ここから見る御鉢平は壮観です。
御鉢平は有毒温泉があり立ち入り禁止。
その縁をぐるりと周回する形で登山道が整備されていますが、歩いていてもかすかに硫黄臭がします。
北海岳からは御鉢平の縁を辿って黒岳に向かいます。
標高が少し下がってくるとまた紅葉が現れます。
このあたりの紅葉もとてもきれいです。
少しずつ下り、御鉢平から流れてくる赤石川を渡り、また少し登り返すと、
黒岳石室に到着。
背後にそびえるのは桂月岳です。
黒岳石室から黒岳への最後の一登り。
頭上には青空が広がっていますが、
頂上に着くと一転この暗さ。
下からガスが断続的に上がってきて、日が差したり陰ったりと、目まぐるしく変化します。
黒岳から見る烏帽子岳と、その奥の赤岳から白雲岳にかけての稜線。
あの向こうからここまで歩いてきました。
黒岳からの下り。
あの人のような形にも見える岩は何という岩なんでしょう?
後ろから日に照らされ、雲が流れ、なんだか神々しく見えます。
だいぶ日が陰ってきて、ガスも出てきましたが、こちらの紅葉もなかなかきれいです。
紅葉の余韻を楽しみながら、つづら折りに下っていくと、黒岳の七合目に到着。
ペアリフト乗り場の横の展望台からは対面の山にかかる虹が見えました。
時刻は16時。
後半は少しのんびり目に歩きましたが、ロープウェイの最終時刻までは十分に余裕のある時刻に到着しました。
七合目からはペアリフトに乗って五合目まで降りれますが、並行する登山道を歩いて降りても20分と地図に書いてあったので、歩いて降りてみました。
しかし、やはりほとんど誰も歩かないのですね。
誰とも会わなかったかわりに、たくさんの野鳥がいました。
ちょこまか飛び回るのでなかなか写真を撮ることはできませんでしたが、何とか1枚。
小さくて丸っこくて白くてホワホワしてて尾が長い鳥、シマエナガのようです。
さらに下ると、エゾシカの親子に遭遇。
私に気づくと、ちらちらと振り返りながら、逃げていきました。
(ヒグマでなくてよかった...)
五合目まで降りてくると、ロープウェイ乗り場には長蛇の列。
登山者に加えて観光客もかなり上がってきていたようで、ロープウェイに乗るまで1時間近くかかりました。
今回のこのコース、大雪山では定番の登山コースの一つですが、秋の紅葉シーズンはもちろんのこと、夏の花の時期もかなりよさそうです。
機会があれば、今度は夏に訪れてみたいです。