京都の定番 (幻冬舎新書)/幻冬舎- ¥886
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世界遺産に登録されている寺社を中心に有名どころの観光名所ばかりを紹介するメディア、そして混雑を承知でそこに集中する人々。
その一方で、一歩踏み込んで隠れた名所や穴場を紹介するもののなかには、俄か京都的なものが紛れ込んでいる。
そんな京都の観光事情を鑑み、”京都を知るには京都の定番を知るべきである”ということで、名所、食、土産、桜と紅葉、祭りや行事、お茶から、花街の愉しみ方まで、京都の定番と呼ばれるものについて、その成り立ちや歴史の流れをも踏まえて紹介した本です。
どことなくよそ者を見下しているような語り口や、一見さんお断りじゃないですが、あえてガイドブックを求めてくるような人の目に入らない新書という体裁(しかも写真なし)であるところも含めて、いろんな意味で京都らしさに溢れています。
観光客の立場から言うと、京都にそうそう来れるわけではない人も多いわけで、そうなると超有名どころに人が集中するのも、上辺だけしか楽しめないのも、本物と俄か京都的なものとの区別がつかないのも、致し方ないところかと思います。
なので、もう少しお手柔らかにとも思うのですが...まぁ、京都を知ったつもりで語る俄か京都通や、京都に住んでいながら京都のことを知らない京都人に向けたメッセージでもあるのかもしれませんね。
京都の定番を知ろうという余裕が出てくるのは、何度も通ってこそかと思いますが、そういう段階になって参考になる、役に立つ本かなと思います。