異常気象が変えた人類の歴史 | Archive Redo Blog

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異常気象が変えた人類の歴史 (日経プレミアシリーズ)/日本経済新聞出版社
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一日の中で変化する雨や風起こる気象の変化から、数万年周期の気候変動まで、気象・気候という自然現象は様々な時間スケールで動いています。


異常気象というのは、こうしたの気象・気候が極端に大きな動きを示すなど、過去の統計から見て珍しい現象のことを指しますが、この本では、異常気象に限らず、小さな気象の変化から、大きな気候変動、はたまた巨大火山の噴火といった突発的な自然現象まで、気候・気象の変化が、有史以前から現代に至るまでの人類の歴史に大きな影響を与えた事例の数々を紹介しています。


インパクトがあるのは、隕石や巨大火山の噴火といった自然現象ですが、個人的には、人類の歴史全体で言えば、数万年単位で変動する氷期-間氷期のサイクル、有史以来で言えば、数十年から数百年単位で変動する太陽活動のサイクルといった、寒冷化と温暖化を繰り返す大きくゆったりとした気候のうねりの方が興味深かったです。


こうしたゆっくりとした気候の変動は、人類の生活様式をがらりと変えてしまったり、人々の心に与える影響から芸術、文化、宗教にも変化をもたらしたりと、長い目で見ると大きな影響を与えていることがわかります。


あまりにも長大な時間スケールでの変動なので、我々の生きている間に、氷期-間氷期のサイクルや、太陽活動のサイクルによって、氷期や小氷期が来る可能性は低いのかもしれません。


しかし、その一方で、今問題になっている人為的な温暖化は、自然のサイクルでは数万年かかる気温の変化を、数十年という短期間でもたらしており、将来的にこれがどういう影響を及ぼすのか、やはりこちらのほうが気がかりです。


人類の歴史に影響を及ぼした気候変動が、いつのまにか人類の歴史が気候変動に影響を及ぼすようになっている...


何とも恐ろしいことです。