近江八幡ヴォーリズ散策 | Archive Redo Blog

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近江八幡に「ヴォーリズ・メモリアル in 近江八幡 」を観に行ってきました。

近江八幡には、つい先日、「BIWAKO BIENNALE 2014 」を見に来たばかりですが、この「ヴォールズ・メモリアル in 近江八幡」では、普段は公開されていない建物が特別に公開される貴重な機会とのことですので、続けざまの訪問となりました。




イベントのシステムは「BIWAKO BIENNALE 2014」とよく似ており、まずは、近江八幡の観光の中心にある白雲館でパスポート(1,500円)を購入し、市内各所のヴォーリズ建築や展示を歩いて観て回ります。

(白雲館はヴォーリズ建築ではありません。)


以下、見学コースに沿って、今回観て回ったヴォーリズ建築を簡単にご紹介します。




近江兄弟社学園の教育会館とハイド記念館。

今回のイベントのメイン会場といった感じで、建築、教育、医療、ヴォーリズの家族や仲間についてなど、非常に多くの展示がありました。




ヴォーリズ記念館。

かつてヴォーリズ夫妻が暮らした家で、彼らのゆかりの品々が残されています。

見学は1階のみでしたが、和洋折衷のしっとりと落ち着いた佇まいの家でした。




アンドリュース記念館。

ヴォーリズ建築第一号の近江八幡YMCA会館をのちに別の場所に建て替えたものだそうです。




パンフレットの写真と同じようなアングルから。

こちらではヴォーリズの原点であるYMCAの活動についての展示がありました。




旧八幡郵便局。

現在はヴォーリズ建築の保存再生運動を行うNPO法人の事務局になっているそうです。




滋賀県立八幡商業高校。

ヴォーリズが来日当初に英語の教師として赴任してきた学校です。




池田町洋風住宅街にあるウォーターハウス記念館。

湖畔伝道船ガリラヤ丸の船長として近江ミッションの伝道活動に力を注いだウォーターハウスの住居だったそうです。




最近、修復されたそうですが、アメリカの伝統的様式で建てられた外部も内部もとてもきれいで明るい印象の家でした。




ウォーターハウス記念館の隣にある吉田邸。




ヴォーリズの教え子で、ヴォーリズと共に近江ミッションの活動を支えた吉田悦蔵・清野夫妻の住居だそうです。




ダブルハウス。

左右対称の間取りを持つ二世帯住宅として建てられた建物で、建築当時はヴォーリズの両親と建築事務所の技師が住んでいたそうです。




かつては、このダブルハウスとウォーターハウス記念館の間にはヴォーリズ邸があり、その裏にはテニスコートがあったそうです。




日牟禮ヴィレッジクラブハリエ(旧忠田邸)

クラブハリエのカフェの特別室となっており、事前に予約をすれば利用できるのだとか。




近江兄弟社本社には、ヴォーリズが手掛けた事業の一つ、メンソレータム(現在はメンターム)の資料館が設けられていました。




メンターム資料館の道路を挟んで向かいにはヴォーリズの等身大の銅像もありました。


いくつか端折りましたが、見学コースとして書かれていたのは大体こんなところです。

しかし、パスポートには、一つだけまだスタンプを押してもらっていない空欄が...

「安土 伊庭家住宅」

ボランティアスタッフの人に聞くと、近江八幡のお隣、安土駅から歩いて10分くらいのところにあるとのこと。




時間的には間に合いそうだったので、近江八幡駅まで戻って、1駅電車に乗って安土まで行ってみました。




伊庭家住宅は、ハーフティンバーと呼ばれる化粧梁が特徴的な英国の伝統的な様式の外観ですが、内部は洋式の部屋と純和風の部屋が入り交じる和洋折衷。




洋風建築をベースとしながら、和式の建築様式を巧みに取り入れるヴォーリズ建築の面白さがよく表れており、わざわざ電車に乗ってまでも観に来る価値のある建築でした。


「ヴォーリズ・メモリアル in 近江八幡」。

近江八幡にあるヴォーリズ建築を一気に観て回るいい機会でしたが、この近江八幡だけでも、英国、米国、スペイン、そして日本と、多彩なスタイルの建物があり、興味深く観ることができました。

特に個人住宅の内部には随所に住む人への細やかな配慮が感じられ、どの建物にもやさしさや温かさがにじみ出ている感じがしました。

建築に和の要素を取り入れる点などもそうですが、この辺は伝道や教育等にも通ずるヴォーリズさんの精神の表れなのでしょうね。




しかし、来てみて意外だったのは見学者の多さ。

この日は最終日ということもあったのかもしれませんが、時々、ガイドに案内された団体さんにも出くわす盛況ぶりでした。

また、ボランティア主体で運営されているとのことで、各会場で揃いのジャンパーを着たボランティアスタッフの方々が、次々と訪れる見学者に親切に説明などをされていたのが印象的でした。

運営する側も見る側も、ヴォーリズファンって意外に多いんですね。




少し色付き始めた木々も見られた近江八幡。

アートやヴォーリズのイベントは終わりますが、これからは、八幡山周辺が紅葉狩りの人々で賑わいそうですね。