リフレはヤバい (ディスカヴァー携書)/ディスカヴァー・トゥエンティワン- ¥1,050
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昨年から急に湧いてきたこの造語に日本市場が沸いています。
ご存じのとおり、安倍政権が主導する経済政策のことを指すわけですが、その政策のひとつにリフレ政策があります。
大胆な金融緩和によって意図的にインフレを起こそうというものですが、果たしてそううまくいくのでしょうか?
放たれたこの第1の矢によって、昨秋から今春にかけて円安株高が加速。
さっそく、その効果が出たようにも見えましたが、実際のところは海外要因や期待先行という側面が大きかったのでしょう...
アメリカの金融緩和縮小の思惑をきっかけに、為替も株も大きく調整。その後乱高下を繰り返す不安定な状態が続いています。
為替や株に投資をしていれば、円安株高はうれしいことではあると思いますが、確固たる成果が見えないだけに、それを素直に喜べない、なにか釈然としないものがある、それが今の不安定な市場の動きに現れているような気がします。
そんななんとも眉唾な印象のある安倍政権のリフレ政策ですが、それに異を唱える本というのもいくつか出ており(いや、むしろそちらの方が目立つ?)、この本もそういったもののひとつです。
リフレ政策の誤りやそれによって生じるリスク、そもそもインフレや円安がいいことなのかどうなのか、それでもリフレを主張するのはなぜなのか?
といったことが、いたずらに不安をあおるわけでもなく、丁寧にわかりやすく説明されており、読んでみると腑に落ちるところがけっこう多い。
結局はポジショントークにうまい具合に乗らされているということなんでしょうかね。
政策が正しいのか間違っているのか、どちらにせよ、私には、政策やその行く末を見据えて、うまく立ち回ることくらいしかできませんが...