日本人と日本文化 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録


日本人と日本文化 (中公文庫)/中央公論社
¥580
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司馬遼太郎さんとドナルド・キーンさんの対談本です。


日本人が外国の文化を受け入れながら、いかにして独自の文化を築き上げてきたか。


文学、宗教、日本人の戦争観、モラル、室町期や江戸期の文化、日本に来た外国人の話など、幅広いテーマについて語りあっています。


それぞれに豊富な知識と、それに基づいた深い歴史観を随所に披露しているわけですが、知識としての面白さはもちろんのこと、それぞれが歴史や文化に対して抱いている肌感覚のようなもの、そしてその違いが面白いところです。


この手の対談本は、だいたい相手を立てながら終始和やかな雰囲気で話が進むものですが、この本では珍しく日本人のモラルの源泉について意見が大きく食い違い、お互いに引かないという場面が見られます。


見る目も違えば、そもそも立ち位置も違う二人ですから、感覚が違って当たり前なんですが、それでも最終的に互いの主張を理解しあえるというのは、深いレベルで共有できる知識のベースがあるからなんでしょうね。


あえて2つの知性を対比させることで引き出される何かを感じられる一冊です。