仏の発見 (学研M文庫)/学研パブリッシング- ¥620
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哲学者として、文学者として、立場は違えど、ともに仏教に強い関心を持つ両者の話は、歴史、文学なども交えながら、ブッダの教えに始まる仏教が日本に伝来してからどのように変容してきたかを辿り、その過程で育まれてきた日本独自の仏教思想の価値を改めて見直し、現在、そして未来にどのように役立てることができるのかというところにまで広がります。
いろいろ深い話が盛りだくさんではありますが、冒頭の「仏教とはなんぞや?」という基本的な問いに対する答えが最も印象に残りました。
「仏教とは、仏になるということである。」
確かにそのとおりなんですよね。
”神は在るもの、仏は成るもの”と言うように、神と仏の決定的な違いであり、あらゆる仏教の思想の根底にある考え方だと思います。
当たり前といえば当たり前なんですが、意外に意識していないことに気づきました。
改めてそのことを意識して、この本を読み、仏教の思想に触れてみると、脳のより深いところで感受できているような気がしました。
意識していなかったことを意識すると、ものの見え方も変わるものですね。