
神戸市立博物館で開かれているマウリッツハイス美術館展を見てきました。
レンブラント、ルーベンスなど、マルリッツハイス美術館に収蔵されている17世紀オランダ・フランドル絵画のコレクションが見られる展覧会ですが、目玉は何と言っても、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」。
どこがどう魅力的であるかということについては、散々語りつくされてきていると思いますが、確かにこれほど人々の目をひきつける作品というのもなかなかないですよね。
思ったより小さな絵でしたが、遠くから眺めてみてもこのなにか物言いたげな少女の眼差しに目が釘づけになります。
この少女、実に生き生きと描かれていますが、特定の人物を写実的に描いた肖像画ではなく、トローニーだと言われているそうです。
顔立ちはオランダの少女ですが、当時のオランダには女性が頭にターバンのような布を巻く習慣はなく、服装もどことなく東洋的で日本の着物のようにも見えます。
よくよく見ればなんだか妙な装束なのですが、当時のオランダには貿易によって日本や中国などの東洋の文化が入りはじめていたそうで、フェルメールにも東洋文化への憧憬のようなものがあったとも言われているようです。
そういった歴史的な背景も興味深いところです。
いやぁ、いいものを見せていただきました。