生ききる。 (角川oneテーマ21)/瀬戸内 寂聴- ¥760
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岩手県の天台寺の名誉住職を務める作家であり僧侶である瀬戸内寂聴さんと、宮城県出身の哲学者、梅原猛の対談本です。
東日本大震災を受けて、日本のこれからのあるべき姿を考えるというのが対談のテーマとなっています。
今回の震災は天災であると同時に人災でもある。梅原さんは中でも原発の問題については「文明災」であると語っています。
科学技術を自然を完全に征服できるかのごとく過信し、豊かで便利な生活を享受しようとする人間の欲望が築きあげてきた現代文明。
その傲慢な文明を反省し、原点に立ち返って文明のあり方を考えなければならない...
そう考える翁と嫗が拠り所とするのは日本の歴史と文化。
仏教から源氏物語まで、日本の歴史や文化の深みと、そこに根付く日本人の精神性に未来を見出そうとする二人のお話は、法話さながら。
非常に勉強になるとともに、なにかこうじんわりと沁みいるものがあります。