山本二三展 | Archive Redo Blog

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神戸市立博物館で開催されている「山本二三展」を観てきました。

山本二三さんは、「天空の城ラピュタ」、「もののけ姫」、「火垂るの墓」などのジブリ作品、細田守監督の「時をかける少女」などの背景画を手掛けた日本を代表するアニメーション画家・美術監督です。

というと前から知っていたようですが、実際のところはこの展覧会のポスターを見て初めて知りました。

そのポスターの絵が上の写真の左側に掛かっている「時をかける少女」の坂道の背景画なんですが、映画を観たときに坂道を中心として手前から奥へと続く街並みとその先に浮かぶ雲がすごく印象に残っていたので、「ああ、この絵を描いた人か!」と途端に興味が沸き、観に行ったという次第です。


「天空の城ラピュタ」や「時をかける少女」に見られる「ニ三雲」と呼ばれる独特なタッチの雲。

「もののけ姫」の獅子神の森のような湿度を感じる深みのある自然の描写。

「火垂るの墓」の戦争の悲惨さを伝える情景の描写。

その他、季節や天候に応じた光、影、色の操り方など...いやぁ、すごく繊細な仕事ですね。

出来上がったアニメを見ている時には、それほど強くは意識していませんが、こうして背景画をじっくり観てみると、それが作品の世界観を決定づける重要な要素だということがよくわかります。

中でも個人的には「じゃりんこチエ」に描かれているような柔らかく温かみのある大阪の下町の街並みの描写が印象的でした。

なんでも、この柔らかさを出すために、一度塗った絵具を洗い落としてもう一度塗りなおすというような手法をとられたのだとか...すごいですね。


この展覧会、絵を観ているだけでも楽しいのですが、500円で借りれる音声ガイドがおススメです。

様々な絵の解説などを聞けてお得である上に、声の主が天空の城ラピュタのパズーの声優である田中真弓さんなんですよ。粋な演出ですね。