図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫)/有川 浩- ¥700
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なかなか文庫化されないなぁと思っていた有川浩さんの代表作「図書館戦争シリーズ」がようやく出ました。
と思ったら、シリーズ全作品が毎月立て続けに出るんですね...こりゃ大変だ。
公序良俗を乱す表現を取り締まる「メディア良化法」を錦の御旗に、武力行使も辞さない強権的な検閲を行う良化特務機関と、良化特務機関から本を守るために自ら武装化した図書館との攻防を描いたこのシリーズ。
自衛隊三部作のようなSF的要素がないにもかかわらず、それ以上にあり得ないだろうと鼻で笑ってしまいそうな素っ頓狂な設定なんですが、それでも引き込まれるのがこの人の作品の魅力なんですよね。
ありえないんだけども、読者に簡単に論理的な矛盾を見透かされないだけの緻密さがあり、また、キャラクターの行動や台詞がきれいすぎず自然であることが、リアリティを与えてくれる...
巻末に有川さんと児玉清さんの対談が掲載されているのですが、その中で有川さん「私としては、キャラクター達が勝手に動くのを、見えないカメラで撮らせてもらっている感覚なんです。」と言っているのですが、まさにそんな印象の作品です。
ところで、児玉清さんと言えば、先日お亡くなりになられましたね。
ご冥福をお祈りします。
そんなタイミングでこの本の巻末の対談に出会ったので驚きました。
この対談が行われたのは今年の3月ということですから、ほぼ最後のお仕事だったんでしょうね。
かなりの読書家であり、書評家でもあった児玉清さん。
そんな児玉清さんが当代の人気作家たちの創作活動に迫ったこの本、ちょっと読んでみたくなりました。
児玉清の「あの作家に会いたい」/児玉 清- ¥1,260
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