ゴールデンスランバー (新潮文庫)/伊坂 幸太郎- ¥900
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東野圭吾さんにせよ、この伊坂幸太郎さんにせよ、どうも売れっ子作家の作品というのはなかなか食指が動きません。
なぜなんでしょうかね? はまるのが怖いんですかね? 単なる偏屈なんでしょうか?
とにかく、今まで手を付けてこなかったんですが、最近文庫化されたこの作品はビートルズのアルバム”アビイ・ロード”に収録されている”ゴールデン・スランバー”がタイトルになっているというのが気になり、買ってしまいました。
ストーリーは、謎の巨大な陰謀によって首相暗殺犯に仕立て上げられた宅配便のドライバー青柳雅春が、考えうるあらゆる逃げ道を封じられ、幾度も追い詰めながらも、古い友人との思い出や仕事の記憶、偶然の出会いをつなぎ合わせ、必死に逃げるというものです。
結末はおそらく多くの読者が物足りなさを感じるのではないかと思われるようなものですし、全編を通して心に訴えかけるような明確なメッセージがあるわけでもありません。
しかし、青柳雅春の置かれた状況に、ビートルズのゴールデン・スランバーという曲の歌詞、そしてこの曲が作られた背景を重ね合わせると、ああ、ゴールデン・スランバーだなぁ...としみじみ感じます。
そういうところがこの作品の面白さなのではないでしょうか。
小説には映画やドラマと違ってBGMなどないのが当たり前ですが、このゴールデンスランバーはゴールデン・スランバーを聴きながら、あるいは、思い浮かべながら読みたくなりますね。
ゴールデンスランバーを読んだ流れで、次は、ノルウェイの森を聴きながらノルウェーの森でも読みましょうか^^