四畳半神話大系 (角川文庫)/森見 登美彦- ¥700
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薔薇色のキャンパスライフと黒髪の乙女を夢見ながらも、そんな理想とは程遠い、悶々とした日々を送る冴えない大学三回生の物語。
入学時の何気ない選択から、異なる展開を見せる4つのパラレルワールド。
しかし、どの世界でも、それぞれに異なる道を歩みながらも、主人公の選択に呼応するかのように強烈な個性を持つお馴染みの面々が周りを取り巻き、主人公を翻弄します。
そして、異なる経過をたどりながらも、何故か必ず登場するアイテム、必ず発生するイベント、時には読者を弄ぶかのように文章までもコピペ。
同じパーツをランダムに組み合わせていくかのような物語の構成に、1本目、2本目、3本目と来て、おいおい、どうやってオチをつけるんだと、投げ出したくなるところをぐっとこらえて、4本目。
なるほど、そう来ますか!
ばかばかしいほど滑稽な悶々青春物語ですが、4つのパラレルワールドの設定の妙、そして、有用無用お構いなしの蘊蓄や言葉遊びを織り交ぜながら展開する、どことなく講談風な語り口も面白い作品ですね。
こんな文章書いてみたいなぁ。