
- 生物多様性100問/盛山 正仁
- ¥1,050
- Amazon.co.jp
うーん、ちょっと期待外れでしたね。
”福岡伸一監修”とあったので、何気なく買ってみたのですが、福岡さんっぽさをまるで感じない本でした。
何で福岡さんなんだろうと不思議に思いながら読み進めていくと、最後の最後、福岡さん自身が書いている解説でようやく合点がいきました。
その解説は、「生命、環境、地球を考える際、最も重要な視点は何か。それは動的平衡の考え方だと私は思う...」とはじまるのですが、なるほど確かに、生物多様性は、福岡さんの代表的著書、「生物と無生物のあいだ 」の中心テーマである”動的平衡”という視点で考えるべき問題です。
構築と破壊を繰り返し、循環しながらバランスを保っているのは、一個体としての生物というスケールでも、生態系、地球環境というスケールでも同じこと。
もちろん、そのバランスは長い年月をかけて変化しうるものですが、人間の活動によってそのバランスが急激に崩れていることが今問題となっているわけですね。
そのスピードを緩やかにしていこうというのが、生物多様性への国際的な取り組みの主たる目的ということです。
冒頭からこういう切り口で話を展開していくと、もっと面白い読み物になったと思うんですが、それは個人的な嗜好としてさておき、生物多様性についてざっくり学ぶ入門書としては分かりやすく読みやすい本だと思います。