悩む力 (集英社新書 444C)/姜 尚中- ¥714
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昨年からけっこう売れていたようで、気にはなってはいたのですが、
「私の口には合わなさそう...」
と食わず嫌いを決め込んでいた本です。
しかし、新書大賞2009のレビューを見て、タイトルや帯から感じる印象とは異なり、思いのほか私の琴線に触れる内容であることがわかり、今頃になって読んでみました。
グローバリゼーションが進展する現代社会、帝国主義が台頭しつつあった100年前の近代社会。
そして、その100年前の近代社会に生き、時代の変化が人間にもたらす苦悩を鋭敏に感じ取り、その行く末を見つめ続けた漱石とウェーバー。
これら2つの類似性に着目し、漱石とウェーバーから現代社会の悩みに向き合うヒントを得ようというのがこの本のテーマなんですが、漱石とウェーバーの炯眼にも驚かされますし、その2人を結びつけ、なおかつ、彼らの生きた時代と現代社会とを結びつけた著者の炯眼にも驚かされます。
私もいずれかの眼を持ちたいと思うのですが、なかなか...
漫然と生きていてはいけませんね。もっと大いに悩まなければ。