海辺のカフカ (上) (新潮文庫)/村上 春樹- ¥740
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海辺のカフカ (下) (新潮文庫)/村上 春樹- ¥780
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夏になると各社文庫フェアのようなものを開催します。
そんなこともあってか、夏になると文庫本が読みたくなってしまいます。
この夏、最初に読んだ文庫本はこの「海辺のカフカ」です。
村上春樹氏の作品の中でも、日常的に書店で平積みになっていることの多い本ではありますが、今年は最新作「1Q84」が話題になっているということもあり、ことさら目を引いたので、手に取ってしまいました。
村上春樹氏の本を読むのはかなり久しぶり...だと思います。
大昔に「1973年のピンボール」や「羊をめぐる冒険」なんかを読んだような気がするのですが、あまりよく覚えていません。
ということで、裏表紙の解説を読んだくらいでほとんど何の予備知識もないままに読んだのですが...
想像していた内容とはずいぶん異なるものでした。
物語は表面上は完結しながらも、結局、謎はすべて謎のまま。
作者は何を言いたかったのか...明確な答えは示されていません。
それゆえに、感動するとか泣けるとか癒されるとかすっきりするとか元気になるとか、そういう感覚が極めて薄かったです。
フランツ・カフカをはじめ、文学に関する造詣が深ければ、もう少し違った捉え方ができたかもしれませんが、私の場合、作中に登場するホシノくんのように、ただ何となく最後まで付き合うことになってしまった...そんな感じです。
おそらく、そういうものを追い求めて読むべき作品ではないんでしょうね。