世界経済はこう変わる | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録


世界経済はこう変わる (光文社新書)/小幡績
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金融危機関連本、4冊目です。

最近やたらこの手の本を読んでいますが、

2冊目の「強欲資本主義 ウォール街の自爆 (文春新書)/神谷 秀樹 」と
3冊目の「すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)/小幡績 」は

この本を読むためための布石と言いますか、いずれも読みたい本リストに入っていたところに、この本が出たために、一気に読んでしまえということになってしまった次第です。


神谷氏と小幡氏は、それぞれアプローチは違うものの、この危機とこれからの世界経済について、ほぼ同じような見方をしています。

その2人が、それぞれの著作の中で結論付けたことのその先についてディスカッションしているのがこの本です。


今、各国政府がとっている対策のほとんどは「今の資本主義の形を修復すること」を前提としています。

金融資本主義に対する批判はあれども、多くの人が期待していることも、やはり景気を回復させ経済を成長路線に戻すことかと思います。

ほとんどの人がそういう資本主義社会しか知らないわけですから、やむをえないことかもしれません。



しかし、金融・経済のみならず、政治・文化・宗教など幅広く議論されているなかで、2人が主張するのは、大規模な財政出動によって今の資本主義を修復するのではなく、もっと根源的な部分から資本主義のあり方を考え直さなければならないということです。


中でも、今の状況をルネサンスが起こる前の状況に照らし合わせて考える神谷氏の話は印象的です。


それだけ歴史的に見て大きな転換点に立たされているという危機感を持っているということです。



神谷氏のように、金融・経済の枠を超えて、人間の価値観をも見直さなければならないというところまで考えている人はまだまだ少数派かと思います。


理屈は理解できても、体がついてこない...そんな感覚かもしれません。



しかし、早々にやってくるのか、まだ長い時間を要するのかはわかりませんが、いずれはそういう時期が訪れるような気がします。