すべての経済はバブルに通じる | Archive Redo Blog

Archive Redo Blog

DBエンジニアのあれこれ備忘録


すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)/小幡績
¥798
Amazon.co.jp

金融危機関連本、3冊目です。


この本では、サブプライムショックを例に、21世紀型のバブルの発生と崩壊のメカニズムを分析しています。


資本の投下と回収のプロセスを繰り返す資本主義のシステムにおいては、蓄積された資本がやがて産業資本を離れて金融資本へと変質していき、投資機会を求めて世界中を飛び回るようになります。

こうしてさらに膨張した金融資本は強い自己増殖本能を持ち、経済規模の拡大に伴う新規需要の開拓だけでその投資先をまかないきれなくなると、高度に発達した金融手法を用いて成長を維持・拡大しようとします。

これが21世紀型のバブルの源泉となるというわけです。
(著者はこれをリスクテイクバブルと呼んでいます。)


サブプライムショックはまさにこのリスクテイクバブルですが、著者はこのようなバブルの発生と崩壊の仕組みは、金融資本市場に組み込まれてしまった癌のようなものであり、金融資本の自己増殖本能を断ち切らない限り、今後も手を変え品を変え繰り返すであろうと言います。


サブプライムショックというリスクテイクバブルがなぜ起こったのか、実によく分析されていると思います。

バブルというものについては、人それぞれ様々なイメージを持っていると思いますが、今回のバブルは従来のバブルとは全く性質の異なるものであることがよくわかります。


問題は、今はまだ金融資本主義の自己崩壊の第一段階であり、今後このようなバブルが繰り返されるたびに、世界がどんどん疲弊していくということ。

比較的早期に完治することができるのか、とてつもなく長い年月を要するのか...

まだまったく読めませんね。